「SCF2015&計測展2015」ベッコフオートメーション編
ロボット展と同時期に「SCF2015&計測展2015」が西館で開催されていました。
時間に限りがありましたもので、ササッとしか見学できませんでしたが、ベッコフオートメーションのブースに立ち寄りました。
なかなか洗練されたブースです。
同社では最近、EtherCAT 通信と電源機能を標準的な4 線式のEthernet ケーブル統合する技術「EtherCAT P」をリリースしましたね。これは「EtherCAT P」のスレーブの24V DC 電源供給と接続されているセンサやアクチュエータからの信号を統合し、さらにこのシステムはそれぞれ3A までの電流、Us(システムとセンサ用の電源)とUp(アクチュエータの駆動用電源)を電気的に絶縁するもので、ワンケーブルオートメーションで従来装置を小型化することが可能になるという画期的な製品であります。経済効果も高い。
さて、話は変わって今回の展示会で目についたのは、高速無線搬送システム「XTS」。
これね!
EtherCATの技術を存分に活かしたこの製品の特長は、①無線配線の可動子を個別に位置決め(IEC言語によるNC制御)、②任意の方向に高速搬送(最大速度4m/s、最大加速度100/s²で軌道上を自由に制御)、③外部センサ・モータ軸と同期(EtherCATによる拡張性)、④薄型・コンパクト(ドライブ一体型。制御機器は産業用PC1台のみ)、⑤省配線(DC電源とEtherCATケーブル2本の配線で動作)、⑥防水・防塵使用(IP65対応)、⑦カスタマイズによる可能性(可動子・ガイドレールのカスタマイズで機能を差別化)するといったもの。つまり、複雑な制御が電子的に素早く実行することができるうえ、複数の作業がワンケーブルオートメーションで小型化できるわけなので、機械で動かす従来の搬送システムよりもメリットが大きいということなのね。
「マルチタッチパネル」を触ってみる。タッチパネルをみると触らずにはいられないのはなぜだろう・・・・と思いつつ、画面をタッチ。
あれま! なんというスムーズなんでしょう。「XTS」と同調してるわ!(当たり前ですが)
この「マルチタッチパネル」は、新開発のセンサICにより、グローブをはめたまま操作が可能なんですって。もちろん薄型です。
さて、同社のブースには、碌々産業と由紀精密がコラボした「VISAI」が展示されていました。この製品は、1µmの加工精度をデスクトップで実現するCNC微細加工機。昨年のJIMTOFでは碌々産業のブースでお披露目されました。最近はいろんな趣味の方がいらっしゃいます。ものづくりマニアは部品等を自分の手で造りたいと感じる方が多いので、そういった方々にもぜひ手に触れて貰いたいマシンでした。工作機械が産業だけでなく趣味の域までカバーするとは! 実にものづくりは幅が広い!
本体重量はなんと40kg!
家庭用コンセントAC100Vで動作します。そもそも、このマシンは微細加工機で有名な碌々産業と、精密切削加工を得意とする由紀精密の共同開発で生まれたもので、「数ミリサイズの製品を作るためのマシンがなぜ大きいんだろう?」と疑問をもった由紀精密が、碌々産業に相談したことからはじまります。小さく高精度、CNC、そして美しい! この要素が揃ったマシンはおそらく世の中で「VISAI」だけが持っているものでしょう。
ちなみに「VISAI」ブランドは、微には入り、細にこだわって無駄なものがなく、「微細で最小限」という価値観を表しているそうです。
ありがたいことに「VISAI」で削って貰いました。
ヒュルルル~~っと、1分もかからなかったと思います。
とても小さな部品のようなもの☆
10円玉と比較
プロフィール
業界新聞社の取締役編集長を経て、インダストリー・ジャパンを設立。製造現場は日本の底力!をスローガンに製造業専門ニュースサイト「製造現場ドットコム」を運営している産業ジャーナリスト兼フリーライターです。霞ヶ関から錦糸町まで守備範囲が広いのが特長。現場取材は数知れず。些細なことや泥臭いことに真実が隠れているのを知り、今では何より本当のことを言うのが大好き。いつも働く女性と頑張るオヤジたちの味方よ。
ブログでは取材のこぼれ話やお知らせのほか、日常のことを綴っています。
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