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直目

2022年を振り返って

 2022年は新型コロナウイルスの猛威もさることながら、ロシアによるウクライナへの全面侵攻が世界の歴史に大きな衝撃を与えた年となりました。世界の製造業にとっても交通網の混乱による物流コストの増大、原材料不足や価格高騰など、来年に持ち越しとなる問題も山積しています。

 その一方、自動化、デジタル化に伴う設備投資意欲は旺盛でした。円安の影響もあり、「日本企業は儲かっているのでは?」という声も一部に上がっていましたが、いくら受注が増えても、先述の問題で、「利益が追いつかないよ。」といった悩ましい声をよく聞いた年でもありました。

 いくら受注が多くても世の常として、反動減は必ずあるものです。取材をしていると来年は概ね、「〝一服感〟は見られるものの、好調さは来年も続くのではないか。」という見方が多く感じられました。多少の落ち込みがあっても、2022年の好調さが当初の予想よりも上回ったので、落ち込んだとしても、平常からいけばまぁまぁといったところ。攻めの姿勢を崩さず、2023年も突っ走るといったところでしょうか。

 2022年11月には製造業の祭典「JIMTOF」が4年ぶりにリアルで開催されました。新しい未来を実現する技術のひとつ、カーボンニュートラルを実現するグリーンテクノロジーや、工程プロセスの効率化を促進するDX技術が数多く披露され、多くの企業が脱炭素社会の実現に向けた取り組みを来場者にアピールしていたことがとても印象的でした。

 グリーンテクノロジーは、2030年までに8兆円市場に成長すると予測されていますが、合理的かつ無駄のない生産技術はさらに進化し、今後も市場に大きな影響を与えるものと思われます。

 新型コロナウイルスの出現により数年が経過しましたが、デジタルコミュニケーションがますます盛んになり、生産ラインでは、生産性を高めるための手段としての〝見える化〟も進化し、今や〝つながる化〟の強化を図る動きも出ています。コロナ禍の間に、人間同士のコミュニケーションを活性化するため、SNSなどのツールを活用する人たちが大勢いたことを考えるとコミュニケーションの重要性を改めて実感する年となりました。デジタル化社会を実現させるためにも情報技術は今後ますます重要なものになると予感させます。

 さぁ、2023年も元気でいってみよう!

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