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巻き返しに期待
近年、製造業のトレンドといえば、EVを思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか。
EVに使用される蓄電池はご承知のとおり、リチウムイオン電池(LIB)です。LIBを発明したのは吉野彰氏で2019年にノーベル賞を受賞しました。この蓄電池政策については経産省も最重要技術のひとつに位置付け、蓄電池産業戦略検討官民協議会を立ち上げて、2020年~21年まで会合を6回開催し、「自動車等電動化の蓄電池」を筆頭にあげましたが、お茶の間的には蓄電池のニュースが少なく、ほとんど目に触れることがない不思議。筆者的には、もっと蓄電池フィーバーがあってもいいと思うのよねぇ。
昨年、連載している月刊ベルダ(ベストブック)さんでも振れましたが、LIBの歴史をみると、1985年に旭化成が基本特許を出願し、1991年にソニーが実用化、2005年に初代iPhone発売、2010年に日系メーカーがすでにEVを市場投入しています。15年以降は世界的にEVを市場投入していることから、ざっと見てもわかるとおり、残念なのはこれらの技術はビジネスともに10年頃まで日本がリードしていたのに、その後は中国や韓国が事業を急拡大したことです。
日本のLIB世界シェアは車載用では15年に51.7%あったのに、20年には21.1%まで落ち込みました。車以外も16年に27.4%あったものが20年にはなんと5.4%まで低下しています。くーーーーーーーっ!
はっ! Σ( ●Д●)
この流れといえば・・・・・そう! 製造業においてビジネス最前線にいる方なら気付くと思いますが、半導体に似ていると思いませんか。
中国や韓国企業は、政府の強力な支援を受けながら、液系LIBの技術で日本に追いつき、コスト面も含め国際競争力で逆転してしまいました。今では欧米含め、世界的に官民で投資競争が激化していますが、悔しいことに日本はグローバル市場から取り残された格好です。
ここは一発、なんとか巻き返して欲しいと願うばかりです。蓄電池はIT社会に必要ですし、再生可能エネルギーなどの地球環境問題に大きく貢献するものですので、巻き返しはきくはずと期待を込めています。