「新たな成長に向けて変革に取り組み果敢に挑戦する」北川鉄工所 キタガワグローバルハンドカンパニー 松葉社長に聞く
現状打破で突き進む!


グローバルハンドカンパニーの名のとおり、世界中を飛び回っている松葉社長に現在の製造トレンドを聞いてみたところ、「全般的に言えば、国内は低迷しており、海外もまだら模様ですが、アメリカでは底堅い需要があります。また、インドの工作機械メーカーに弊社のチャックが納入されていますが、昨年から増加傾向にあります。インドは製造業振興のスローガンとして〝メイク・イン・インディア〟を掲げていることもあり、自国製を使用するというトレンドがあります。機械は日本製と比べると安価ですがレベルアップをしており客先、用途に応じてわれわれのチャックの活用が増加しているのではないかと見ています。」とインド伸長の背景を話したあと、「私が海外営業課長だった15年前にインドの機械メーカーを訪問したことがありましたが、その時から比べるとインドの工作機械メーカーの企業規模も大きくなり機種も増えています。」と続けた。
現在、インドにチャックを製造する工場ラインを立ち上げ中の同社だが、その狙いは現地市場への迅速な対応とサービス販路の拡大を目指した現地生産だ。本年秋から量産をスタートさせるとのことで、インドでは月に900台の生産を見込んでいる。
グローバルハンドカンパニーの経営方針は、〝新たな成長に向けて変革に取り組み果敢に挑戦していこう〟。この意味について松葉社長は、「もともと老舗の事業部でしたが、新型コロナウィルスの登場で世の中がガラッと変わりました。日本の工作機械は強いのですが、新興国のレベルアップが加速しています。競争激化の中で、われわれも付加価値のある製品を市場に提供していかなければ成長することはできません。」と厳しい顔になった。
同社では女性やエンジニアなどで活躍する外国人の採用も積極的だ。「海外営業も男女関係なく出張してもらいます。治安面で不安な地域もあるのでその場合の行動は一定の制約はしていますが、基本的に女性だから営業補助的なことしかさせないといった考えはなく、働き方に男女の差はありません。」と話した。ちなみに同社は、東洋経済新報社の選ぶ「離職する人が少ない大企業」ランキングでは、過去に2度もトップ企業に選ばれた優良企業でもある。
松葉社長は、国内・海外の営業部長も兼務しており、現在、名古屋にカスタマイズ品を設計する部隊を再設置するなど、多忙な中で社内改革を進めている。本年4月からは従来のサービスセンターを〝カスタマーサポートセンター〟に名称を変えて、修理や保全を実施し、サービスをさらに強化する方針を打ち出した。
「サービス担当者はお客様の現場を良く知っています。その一方で、営業のサポート的な感覚があり、据え付けや修理など作業して帰るだけとなることが多く、もったいない。お客様からすると実際に現場で作業してくれるサービス担当者といろいろ困りごとを相談したいと思うでしょう。サービスの充実度をもっと前面に出したほうが良いと考え、組織体制を再編し、サービスを一元化しました。ここではお客様にわれわれの製品を充分にご理解して頂くための機能や施設を整備していきます。せっかく新工場もできましたので、お客様にはこちらにお越し頂き、来られた際には、有名な府中焼き(お好み焼き)を味わって頂きたいと思っています。」としめくくった。