タンガロイ 木下社長に聞く ~年間60件もの新製品を市場投入!~ 

 

環境にも配慮した製品づくりを

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小型部品の加工に適した「AddDoFeed」。加工時間の減少は環境負荷低減につながる。 

 ―8月末にリリースされた主に小型部品の加工に適した『AddDoFeed』も、タンガロイならではの技術がつまっています。

 木下 ソリッド工具からインデキサブルに変わり、しかも高能率加工が実現するという時代の到来です。小型部品の加工にはソリッドエンドミルが多く使用されていますが、溝加工や掘込み加工といった負荷の高い加工を行うと、工具剛性が低い小径ソリッドエンドミルでは切込みや送りを上げられず、加工時間が伸びる傾向にあります。今回、この欠点を補うため、新製品をリリースしましたが、この製品は、内接円径φ4.0mmの小さなインサートの採用と、工具径φ16mmで4枚、φ25mmで7枚となる多刃仕様ボディの組合せで、汎用の小径ソリッドエンドミルよりもはるかに高能率な加工が可能です。加工時間が減少すればそれだけCo₂排出量も減少しますから、環境負荷低減にもつながります。

210924タンガロイADDo ―現在、持続可能な社会の実現へ向け、環境にも配慮した製品づくりが求められていますから、時代に合致した製品開発も必要になってきます。

 木下 例えば、生産性を2.5倍に上げる高能率な切削工具があれば、Co₂排出量は同じアウトプットなら必ず減るはずです。現在、世界中の製造業は環境をベースにしても生産効率を上げないと生き残っていけない時代に来ています。単に再生可能なエネルギーを買えば良い、ということでは済まされず、効率を上げるということは、電力などのエネルギー使用量を減らしていかないといけません。そのためには、製造現場で高能率な切削工具を使うことが大きな選択肢になると感じています。

 ―将来的には業界でどのような存在を目指していますか。

 木下 非常に難しい質問ですが、社長になってから言い続けているのはタンガロイという企業を世界中の多くの方に知って頂き、切削工具や機械加工に関わることでしたら、「タンガロイに聞こう!」というファンを増やしたい。現在、フルラインで切削工具に関わる全てのものを自社開発、自社製造、自社販売できる体制になりました。品質や製品ラインナップだけを追求するのではなく、人材育成も注力しています。お客様がお困りのときに、対応するのは人ですから。

210924社内
活気に満ちている本社内

 ―貴社は自由な社風と社員の皆様もフレンドリーなイメージがあります。

 木下 個人の秀でたとこを活かして仕事ができれば、アイデアも沸いてくるでしょう。決まった仕事は自動化をすれば良いと考えます。製造業なので熟練技術を伝承することも必要ですが、これから先、人口減で従業員も減ってくるでしょうから、それをカバーできるのは自動化技術だと考えます。生産技術者がアイデアをつぎ込めば、効率の良い自動化ラインができるので、発想力とチャレンジ精神を生かすためにも個性を尊重した自由を認めています。

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