タンガロイ 木下社長に聞く ~年間60件もの新製品を市場投入!~ 

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 新製品の開発を加速させているタンガロイ(社長=木下 聡氏、本社:福島県いわき市)は、金属加工技術が急速に進化していることから、生産性の高い製品群をつくるために日々注力している。コロナウイルス感染拡大の影響でオンライン開催となったが、本年4月に新製品発表会が開催され、同社会長兼IMC社長のジェイコブ・ハルパズ氏も創造性溢れる新製品のプレゼンテーションを行った。また、10月にポートメッセで開催される「メカトロテック(MECT)ジャパン2021」でもユーザーの生産性を向上させる革新的な「ADDFORCE製品群」などを展開する予定だ。

 木下社長にお話しを伺った。

技術者は常に切削工具のことを考えている

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本年4月にオンラインで開催された新製品発表会でプレゼンを行うタンガロイ会長兼IMC社長のジェイコブ・ハルパズ氏。

 ―貴社は精力的に新製品を開発し市場投入をしていますが、ユーザーニーズに応えるために工夫をしていることは。

 木下 お客様に信頼されることが重要だと考えています。情報は市場とお客様から直接得るものとありますが、実際の加工に対するお悩みやご意見はお客様からの信頼がなければ知ることができないものです。新製品の数々はこうした加工現場のご要望に対してソリューションを提供していくことで生まれてきます。

 ―新製品は年間でどのくらいの数になりますか。

木下 年間で約60件の新製品を発表しています。われわれの技術者は常に切削工具のことを考えているという自負があり、生産効率を上げるために、なにをすべきかを日々意識しています。お客様のニーズに沿ったものに加え、われわれが長年培った技術力と知識から製造現場に通用するものを豊富に提供しています。

 ―マーケティングの観点から世界中の新規顧客を獲得するために取り組んでいることはありますか。
 木下
 タンガロイもIMCもマーケットシェアを持っており、〝世界のどの地域のどの業界でなにが売れたか〟は、すべてデジタル化されています。これを分析することにより、製品、さらにアップグレードした新製品をタイムリーに開発することができるのです。また、この手法により、失敗のリスクを回避することもできます。

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製造現場のコスト改善を目的にした工具管理システム「MATRIX」も話題を呼んだ。

 ―貴社はDXの活用で変革が進んでいるイメージです。

 木下 基礎的なIoTやDXへの取り組みは進んでいると思います。開発者が従来のものに新たな考えをインプットができるのは、こうした取り組みがあるからです。全くゼロから製品を生むのは非常に難しい。従来の成功した技術や長年培われた技術にアイデアを入れることは重要なことだと考えています。

 ―貴社は製品情報の拡散にSNSなどを活用し、ファンを獲得しています。気をつけていることはありますか。

 木下 すでにインターネットでの情報検索は世界の文化になっていますが、これを盛り上げるためには、アクセスしてくれる登録者数を増やしていく必要があります。そのためにはアクセスした皆様が最初に「これはいいな」という感覚を持ったなら、この感覚を継続していただくために、コンテンツの質を上げる必要があります。動画であれば、いかに美しい動画を撮るか。皆様に継続して見たいと思って頂けるコンテンツを提供するために努力しています。

 ―業界でもSNSや動画の活用が増えました。差別化をするための策はありますか。

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テックセンターではセミナーや加工実演が行われる

 木下 製品の特長が短時間で理解できるよう努めています。製品の説明をたくさん入れてしまうと長くなってしまい飽きられてしまう可能性があるので、いかに30秒以内に抑えるかがポイントです。グローバルですので、日本語、英語、スペイン語など様々ありますが、皆様の記憶に残っていただくために、製品名と社名ロゴ、あとは製品がワークを削っている美しい動画で特徴的な加工を行っている画面を提供できるようにしています。また連動してSNSでは従業員が製品情報とともに、自分たちの苦労話や営業で成功した事例も届けるなど、顔の見えない皆様とも親しみやすくコミュニケーションが図れるようにしています。

 ―現在、貴社における新製品の売上比率はどのくらいでしょうか。

 木下 現時点では5年以内に開発した製品が売上の30%を占めています。ひょっとしたらこれが40%、50%という時代が来るかもしれません。開発力を強化し、常に良い製品をつくっていけば、お客様は常に同じ製品を使い続けるのではなく、常に良いものを選択していくようになると思っています。

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