【レポート】OKKがプライベートショーを開催 ~東日本では初展示「VC-X500」や新NC装置“N830”を搭載した「VM43R」が人気!

 「重切削、高剛性の百年品質」がキャッチコピーのOKK(社長=宮島義嗣氏 本社:伊丹市北伊丹8-10)が、7月13日(木)~14日(金)の2日間、OKKテクニカルセンター(さいたま市北区日進町3-610)で「OKK東日本プライベートショー」を開催し、大勢の来場者で賑わいを見せた。
 
 今回の目玉は、東日本では初披露の5軸制御立形マシニングセンタ「VC-X500」と、新NC装置“N830”を搭載した「VM43R」。
 
 大盛況に終わったOKK東日本プライベートショーの目玉をレポートする。

5軸専用機としてOKKの技術を集結した「VC-X500」

東日本で初展示となった「VC-X500」と徳田東京テクニカルセンター長。
東日本で初展示となった「VC-X500」と徳田東京テクニカルセンター長。
 年々、複合化・複雑化する金型・部品加工のニーズに高能率な工程集約が挙げられる。段取り変えによる精度劣化・作業者の負担は現場の悩みの種だが、そんな悩みを払拭してくれるのが、今回東日本で初展示となった「VC-X500」だ。

 「VC-Xシリーズに送り剛性の高いコンパクトなVC-X350も好評ですが、このタイプの大きいマシンが欲しい! というユーザーの要望を受けて、誕生したのがVC-X500です。5軸機のウリはワンチャッキングで加工ができるところ。高能率な工程集約が実現します」と説明してくれたのは、同社の徳田賢治東京テクニカルセンター長。

 このマシンは、フロアスペースを3300×2450mmに抑えながらも、大きなワークサイズを実現している。徳田東京テクニカルセンター長によれば、「このマシンはクラス最高レベルのワークサイズです」とのこと。同社のVP600-5AX比で最大ワークサイズは60%もアップしている。

 優れた接近性にも注目したい。カバー前面から主軸中心までの距離は120mm、カバー前面からテーブル中心までの距離は620mmと作業者が無理な姿勢を取らなくても良いという配慮が見て取れた。なかなか人に優しい機械である。

 また、工具収納本数40本を標準装備したマガジンは、オプションの60本、80本、120本マガジンを装備しても、フロアスペースは変わらないので安心だ。

 ところで安心といえば、展示マシンに“安心の3年保証”のシールが貼られている。これは、2年前の2015年に創業100周年を迎えたことを機に、さらなる顧客サービス向上を目指して、機械の無償修理保証期間を従来の1年から3年に延長し、「3年間保証しましょう」という取り組みの証しだ。 日本国内納入機全機種(原則として機械本体)に対応している。また、同社では、万全なサポート体制の構築に注力しており、サービスネットワークを強化している。顧客のマシンが“もしも”の時に即座に対応し、安心してOKKのマシンで加工ができるサポート体制を確立しているというから頼もしい。

新NC装置で操作がラクラク!

新NCは操作製抜群! スマホのように指先で拡大縮小ができる。
新NCは操作製抜群! スマホのように指先で拡大縮小ができる。
 今回の展示会では、新NC制御装置「N830」を搭載し、OKKの対話型NC自動プログラミング機能「WinGMC8」にも注目したい。NCプログラムを知らない人でも簡単に加工プログラムが作成できるという、便利でありがたい機能がついた立形マシニングセンタ「VM43R」が展示されていた。

 営業本部カスタマーサポート部の沼田文男主任は、「新NCではタッチパネルが全面に押し出された形となっています。誰もが簡単に操作できます。従来、描画の拡大縮小は画面操作で拡大縮小を行っていたのですが、こうしたものがスマートフォンのような操作性で拡大縮小ができます。チェック範囲の変更で、最初から再描画をする必要もありません」と説明してくれた。

 「WinGMC8」はCAD機能を標準搭載している。タッチパネルに最適化したCADなので、スマホ感覚でCAD操作ができる。つまり、対話機能とCAD機能の相乗効果で効率アップが狙えるという。画面は親切な案内図が特長。双六を進めるイメージなので分かりやすい。

 この画面を触らせてもらったが、画面上に置いた2本の指を広げると(ピンチアウト)スムーズに拡大! 逆に指を狭めると(ピンチイン)小さくなる。動きも滑らかでスムーズ! 10年前では考えられないような楽チンさに驚いた。

新NC制御装置を搭載した「VM43R」と営業本部カスタマーサポート部 沼田主任
新NC制御装置を搭載した「VM43R」と営業本部カスタマーサポート部 沼田主任
 ところで、“VM4シリーズ”といえば、納入実績2500台を誇る人気シリーズだが、「VM43R」はこのベストセラー機を一新し、本体合成と主軸剛性を高め、切削性能をさらにアップさせたマシン。これに最新の対話型NC自動プログラミング機能が付いたものが展示されていたのだから、まさに“鬼に金棒”だ。

 ちなみに、人手不足の加工現場では人材を募集しても面接の際に「プログラムを作成する」と説明したとたん、「難しそうだから出来ない! 単純作業しかやりたくない!」という方も多いという現場泣かせの悲しい現実がある。「WinGMC8」は、工具交換順序も自動で最適化するので初心者でも簡単に加工プログラムを作成できることから、こうした心配はもう不要だ。

 今回の展示会では、古い機械も含めて工場全体の稼働状況を監視できるIoTシステムも提案していた。他にも、機械のQRコードを識別して点検プログラムが起動し、日常点検のデータはサーバに記録、これら日常点検データは保全に活用したり、慣らし運転や定型プログラムの起動時に自動的に主軸ロード値を記録することもできる――という参考出品もあった。

 どんどん進化するOKKに期待値も向上! 今後の展開が楽しみだ!

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