「国内外の受注拡大続く」日本工作機械工業会が総会を開く

写真右から中村健一副会長、稲葉善治副会長、牧野二郎副会長、花木義麿会長、森雅彦副会長、山岡靖幸副会長、石丸雍二日工会専務理事
写真右から中村健一副会長、稲葉善治副会長、牧野二郎副会長、花木義麿会長、森雅彦副会長、山岡靖幸副会長、石丸雍二日工会専務理事
本工作機械工業会(会長=花木義麿 オークマ社長)が5月21日、都内のホテルニューオータニで第4回通常総会を開催した。

総会後に記者会見が開かれた。花木会長は、日頃の感謝を述べたあと、「伝統ある日工会会長職の責任の重さを身に沁みて感じているところである。昨今、話題のインダストリー4.0やロボット革命等、国内外で新しいものづくりのあり方が模索されている。この新時代の中、わが国工作機械産業のさらなる飛躍を期して新たな礎を築くことが会長である私の重要な責務である」とした。


あいさつする花木会長
あいさつする花木会長
記者会見後、場所を移して懇親会が開かれた。
あいさつに立った花木会長は、「一昨年に私が日本工作機械工業会のバトンを引き継いで二年が経過した。この間、政策による支援の効果もあり工作機械産業の市場環境は大きく好転をした。日工会の工作機械受注額の動きをみると、2014年は前年比35.1%増の1兆5094億円となり、4年連続して1兆円を超えることができた。本年においては、1月から4月までの日工会受注累計は5346億円となった。本年の1/3が経過した現時点で年初の受注見通しの1兆5500億円を上回る勢いで推移している。工作機械需要は内外需総じて堅調に推移、内需においては為替の安定を背景に企業収益が大きく改善し、設備の更新・合理化投資のマインドが向上しているに伴い、工作機械需要が拡大してきた。また、生産性向上設備投資促進税制や省エネ補助金、即ち地域向上、中小企業等の省エネルギー設備導入補助金が工作機械需要の拡大を強く後押ししている。国内外の堅調な市場環境の中、日工会会員各所の努力により、国内外の受注拡大が続いている。次に平成26年度の日工会活動を振り返ると、産学官の連携による叡智を結集して先端技術の研究開発と標準化を推進する加工システム研究開発機構の立ち上げに向け、準備作業を進め大きく前進している。次に昨年開催されたJIMTOFでは活発な商談、先端技術のアピールなど充実した展示会となった。平成27年度の日工会活動については、この2年に取り組んできた4つの重点課題である、産学官連携の強化、標準化戦略の強化、JIMTOFの求心力の強化、人材の確保等々をはじめとする中長期的な課題への対応をさらに深化発展させていく」と述べた。

あいさつする黒田篤郎経産省製造産業局長
あいさつする黒田篤郎経産省製造産業局長
来賓を代表して、黒田篤郎 経済産業省製造産業局長が、「経済は好循環に動き始めている。この景気回復の実感を全国津々浦々中小企業も含め広めるのはわれわれの仕事だと思っている。特にアベノミクス三本目の矢は成長戦略を実現させる正念場でもある。三年前は六重苦に加えデフレで七重苦とも言われたが、円高も一服し、法人税改革も方向が定まるなど、ずいぶん課題が良い方向に向かっている。工作機械の世界はまさにマザーマシンといわれ、産業の根幹な部分である。貿易収支は大赤字だが、この厳しい中で、黒字を保っている二つの産業がある。それは自動車と工作機械であり、この二つが黒字の稼ぎ頭でもあるといえる。また、このほどロボット革命イニシアティブ協議会を立ち上げたが、この中核になるのがまさに工作機械メーカーの皆様である。IOTの時代がやって来たが、ドイツのインダストリー4.0、アメリカのインダストリアル・インターネットに対し、日本はどうやって対応していくのか、と問われているが、われわれは得意分野であるロボットや工作機械をいかにデジタル化するかを世界に向けて発信していきたい」とあいさつした。

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