オーエスジー 新城工場内のオーエスジーコーティングサービス竣工並びにモニュメントが完成

オーエスジー(社長=石川則男氏)の新城工場内にあるオーエスジーコーティングサービス(社長=彦坂光義氏)の新社屋竣工並びに鎖のモニュメントが完成し、5月15日に見学会が開催された。

新城工場について説明をする今泉部長
新城工場について説明をする今泉部長
新城工場は、特殊工具対応へ変化を遂げたハイス製品の専門工場。同社第2製造部 今泉英明部長は、「世の中では超硬化が進んでいるが、なぜ、この工場はハイスに力を入れているかというと、超硬合金は工具としては特性バランスに優れ非常に魅力的な材料であるが、ハイスというのは、他の工具材質では得られない高い靱性があり、世の中には、靱性を必要とする加工も多く存在する。したがって超硬化が進む中においてもハイスの需要はある。例えばタップの下穴などは超硬ドリルで強行にあけていくと、表面が硬化してしまう。耐熱合金もいきなり超硬でバリバリ削ると表層に加工硬化層、変質層などができる。これが飛行機などに使われる製品にしたときに問題が起きるケースもあるので、ハイスで優しく削るのが望ましい」とハイス工具の必要性を説明した。

新城工場を見学したあと、オーエスジーコーティングサービスの竣工記念セレモニーが開かれ、オーエスジー 大沢会長、オーエスジーコーティングサービス 彦坂社長、モニュメントを製作した芸術家の三澤憲司氏、関係者を囲んで懇談した。

2001年にオーエスジーから分社したオーエスジーコーティングサービスは、コーティングの受託生産をしている。現在では、切削工具のみならず、金型、機械部品などへのコーティングを通して様々な産業で幅広く利用されている。

オーエスジーコーティングサービス 彦坂社長
オーエスジーコーティングサービス 彦坂社長
オーエスジーコーティングサービスの彦坂社長は、「われわれは4つの使命がある。ひとつは、オーエスジーが2020年に1500億円の売上げを達成すること。それに向けて生産能力のアップ、受注力の増大を目的としている。二つ目はグローバルコーティングのマザー工場の位置付けとして工場内の機能アップを図っていく。すでにオーエスジーグループは世界中にコーティング事業を展開しているが、そこへの技術支援を行っていく。三つ目はオーエスジーが掲げている航空機産業への受注拡大。われわれが独自に持っている超結晶ダイヤモンドコーティングは、炭素系樹脂の加工に強く世界出も非常に強い競争力を持っている。また耐熱合金用の新しいコーティングの生産能力も上げていきたい。四つ目はアフターマーケットといわれる市場を拡大したい。お客様がお使いしたものをリユース、つまり再研磨と再コーティングをして再びお客様のところにお戻しする、ということを拡大していきたい」と抱負を語った。

オーエスジー 大沢会長
オーエスジー 大沢会長
この中で大沢会長は、「コーティング会社の社長を社内で公募したところ、手をあげてくれたのが彦坂だった。彼は営業畑だった。私は内心、営業を担当する者が社長になってくれればいいな、と思っていたので嬉しかったことを覚えている」とオーエスジーコーティングサービスの設立秘話に触れた。

続いて大沢会長から三澤憲司氏をはじめ、関係社に記念品が授与された。


写真左は芸術家の三澤憲司氏

その後、オーエスジーアカデミー(豊川市一宮町)内にある靑山製作所再研磨工場を見学したあと、感謝の集いが開かれ、宴もたけなわのころ、散会した。

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