三菱日立ツールが続々と新製品を投入!

三菱日立ツール(社長=増田照彦氏)が続々と新製品を市場投入している。
今回の新製品は2つ。

ひとつは『ミーリング加工用インサートAJコーティングシリーズ 第二弾』としてAJコーティングシリーズに新材種JP4115を追加し、AJコーティング品140アイテムを追加発売で主要ミーリングインサートをカバーしたもの。もうひとつは、鋳物、鋼、高硬度材の仕上げから中仕上げ加工に対応するインサート『アフルァーボールプレシジョンマルチフルートABP4F形』に二材種が加わった。

『ミーリング加工用インサートAJコーティングシリーズ 第二弾』
~AJコーティングシリーズに新材種JP4115を追加し、AJコーティング品140アイテム追加発売で主要ミーリングインサートをカバー~

金型加工や部品加工のミーリング加工では、工具の長寿命化や高能率化が要望されているが、近年、金型材の高強度化、部品の軽量化や高強度化、耐熱性の高い被削材の増加により被削性が低下し、工具寿命が低下する問題がある。同社によると、「例えば、被削材硬度35HRC以上の合金鋼やプリハードン鋼・焼入れ鋼の被削材は、一般鋼や炭素鋼に比べ被削性が悪い傾向にあり、工具の刃先にチッピングが発生しやすく、工具の長寿命化や高能率加工が困難な問題があります。また、ステンレス鋼系の被削材は、耐熱性の高い被削材が増加傾向にあることや、被削材の溶着や加工硬化により、工具刃先がチッピングし工具寿命が低下する問題があります」とのこと。そこで同社では、AJコーティングシリーズ(JP4120、JP4115、JP4105、JM4160)は、耐チッピング性の高いPVDコーティング膜と耐溶着性に優れる平滑な表面のコーティング膜を採用し、工具刃先のチッピングや被削材の溶着を低減することで工具寿命の改善を行った。

JP4120は耐摩耗性と靱性のバランスに優れる超硬母材を採用し、汎用からプリハードン鋼・焼き入れ鋼用の幅広い領域で工具寿命を従来比2倍に改善している。新材種JP4115は小径ラジアスミルRH2P用であり、プリハードン鋼から焼き入れ鋼の加工において工具寿命に優れている。JP4105は耐摩耗性に優れる超微粒超硬母材を採用し、50HRC以上の焼き入れ鋼の加工において工具寿命を従来比2倍に改善した。JM4160は、靱性に優れる超硬母材を採用し、ステンレス鋼系の加工において工具寿命を従来比2倍に改善した。
特長は以下のとおり。

(1)耐チッピング性に優れる新組成PVDコーティング被膜の採用
Al含有量を増加した新組成系AlTiN系コーティング膜の採用により、耐チッピングを低減し工具寿命を向上させた。特にプレハードン鋼や焼き入れ鋼・ステンレス系鋼の加工において工具寿命の原因となるチッピングの発生を抑制し、工具の損傷を低減した。

(2)耐溶着性に優れる表面平滑コーティング膜を採用

従来皮膜より表面が平滑なコーティング膜を採用し、工具刃先への被削材の溶着を低減する。特にステンレス系鋼の加工において耐溶着性に優れ、工具の損傷を低減した。

(3) 寿命

汎用~焼き入れ鋼加工用のJP4120およびJP4115、50HRC以上の高硬度鋼加工用のJP4105、ステンレス系鋼加工用のJM4160は、従来品と比較して2倍の工具寿命を実現した。

【用  途】汎用~高硬度鋼、ステンレス系鋼ミーリング加工用
【発売件数】140アイテム
【価  格】¥864~¥8,629 (消費税込み)
年商は10億円を見込んでいる。

『アルファーボールプレシジョン マルチフルート:ABP4F形』
鋳物、鋼、高硬度材の仕上げから中仕上げ加工に対応するインサート2材種を追加

同社が現在現在発売している『アルファーボールプレシジョンマルチフルートABP4F形』は、多刃(4枚刃)化による高能率加工の特長を活かし、鋳物の大物プレス金型の製作リードタイム短縮に大きく貢献しており好評を博している。現在発売中のインサート材種ATH10Eは鋳物の仕上げ加工で高能率・長寿命が得られる材種だが、今回ユーザーからの要望も多くあり、仕上げから中仕上げ加工まで可能な、プラ型、ダイカスト型や高硬度材加工向けにインサート材種PN15MとATH80Dの2材種を追加し発売した。

特長
(1) インサート材種PN15Mは鋼の仕上げから中仕上げ加工が可能。
(2) インサート材種ATH80Dは鋳物や高硬度材の仕上げから中仕上げ加工が可能。
(3) 両材種とも従来品2枚刃タイプと比較し、加工能率2倍以上で仕上げから中仕上げ加工が可能。

金型をはじめとした曲面の仕上げ加工に貢献する。
価格はインサート(1セット) (φ20~φ30) :11,288~ 15,446円 (税込み)。
年商は2億円を見込んでいる。

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