世界最大の自動車部品サプライヤが、ケナメタルエクスツルードホーンを表面仕上げに使用

品質において、交差穴に残った粒子を取り除くことやミクロレベルの汚れを確実に除去することが課題である。カスタマイズされた複雑なバルブ、ギア、ピニオンや、数千にも及ぶ部品を数秒間で機械加工することは可能だが、完璧に仕上げるには数分もの時間がかかる。

ケナメタルがこのほど発売した、ケナメタルエクスツルードホーンはTEM(サーマルデバリング加工)などの独自の技術で、世界中のメーカーが直面している複雑化する仕上げの課題を解決するとして注目されている。

Delphi-TVSは、Delphi Corp.(米国ミシガン州トロイ)とT.V. Sundaram Iyengar & Sons(インド、カンチープラム)のジョイントベンチャー。 Delphiは、世界最大の自動車サプライヤであり、Delphi-TVSは、インド最大の自動車システムメーカーである。

「グローバルな企業であり続けるため、当社は、製品に世界クラスの品質基準を維持する大きな責任を負っています。」とDelphi-TVSの製造エンジニアリング部長のT.N. Umasankar氏はいう。課題としては、「ディーゼル燃料噴射部品、つまり大量の部品を製造しています。主な問題は、前の加工作業で発生した直角に交差する穴のバリの除去です」とのことだった。

Delphi-TVSは大量生産部品が年間約100万個にも迫り、手作業でバリを除去することは不可能だったが、 様々な調査の後、同社はケナメタルエクスツルードホーンのTEM(サーマルデバリング加工)ソリューションを選択した。

除去する被削材の量とチャンバー内の部品の量によって大きさを決めた封じ込めチャンバーに、加圧した可燃ガスと酸素の混合物が5~10気圧の圧力で噴射される。点火システムによりガスの混合物に点火し、燃料の酸化により20ミリ秒の高速のエネルギー波として熱エネルギーを放出。表面積が広く、断面が薄いという特徴により、内部にあるバリでも瞬時に焼き払うことができる仕組みである。ガスの混合物がワーク材全体を覆うため、すべての内部表面と外部表面が、短時間で酸化する。アクセスが困難または不可能な内部の交差穴や交差エッジを瞬時に加工することができる。

「数百回も据え付けを行ったり、TEM装置やプロセスの改良を重ねました」 と語るのは、ケナメタルエクスツルードホーンのグローバルマーケティングマネージャであるBruno Boutantin氏。「1つの要素は変わらない。TEMは1台の機械で年間100万個以上の部品を加工できる高速で低コストの大量生産プロセスです」

「TEMプロセスは、これまでバリ除去部門がスピードを維持するために苦労してきた大量生産アプリケーションに適しています」とUmasankar氏は述べている。

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