ジェイテクトがCNC円筒研削盤「GE4iシリーズ」を開発! 20年ぶりにフルモデルチェンジ!
ジェイテクト(社長=安形哲夫氏)は、2月27日に同社カスタマーセンター(愛知県刈谷市)でCNC汎用円筒研削盤「GE4iシリーズ」を開発したとして記者発表を開いた。
ベストセラーCNC汎用円筒研削盤をフルモデルチェンジしたのは約20年ぶり。
安形社長は、「お客様が直面している悩みを真摯に受け止めている。弊社の蓄積していた技術とノウハウを駆使して開発したGE4iシリーズは、自信を持ってお客様に貢献できるものです」と話す。
コンセプトは『誰でも簡単に高度なものづくりができる機械』

課題解決策としてジェイテクトが掲げたのは、『誰でも簡単に高度なものづくりができる機械』だった。永年、研削盤メーカーとして培ってきた技術を集結し、いつでも誰でも安定した加工精度が得られる研削盤の開発に注力した。
安形社長は開発の背景について、「長年中小企業のお客様を中心にご愛好頂いていたCNC汎用円筒研削盤が約20年ぶりにフルモデルチェンジとなった。1994年に発売されて以来、研削加工にかかわる多くのお客様より絶大な信頼をいただいている。研削加工は特に製品の最終仕上げ工程なので非常に高精度で安定した加工精度が求められるが、高精度を確保するために熟練技能者のカンや経験を頼りにされているお客様が多く、その一方、日本のものづくりに直面する課題として熟練技能者の不足が挙げられている。GE4iシリーズは、安定した加工精度を保つため熱変位を抑制する様々な技術や操作性を向上させる最新CNC装置の搭載により、経験の浅い作業者でも熟練者並のより高い精度の加工を実現することができる製品である」と説明、「お客様のニーズと期待を上回る製品を日本だけでなく、世界中のものづくりを支えていきたい」とした。

① 昼の休憩を挟んだ後など、しばらく作業を中断して再開したときの寸法変化に神経を使っている。
②熟練作業者が減少する中、CNC機で自動化を進めたい。
③とはいえ、ワーク形状や要求精度によっては手動研削を行いたい。
「このため、安定した検索精度を求めるためにはひずみ低減と操作性の向上が必要だった。このような問題を改善するために熟練作業者の減少という市場変化に適応し、熟練作業者じゃなくても高精度な加工ができる機械や、熟練作業者が行う状態に機械がサポートできるよう目指した」(奥田専務)
「徹底した熱対策」、「高い真直性の実現」、「CNC機能の向上」で、誰でも熟練者になれる!

(1)徹底した熱容量バランス設計による安定した高い精度の維持
■熱変位に影響を与える、室温変化、加工による発熱、モーター・ポンプなど機械そのものからの発熱に対する性能を向上。ペッドの形状やリブの配置に工夫を凝らし、熱容量バランスを均等化することで室温変化によるひずみをミニマムに抑制することを実現。
■クーラント経路の最適化と断熱用アイソレーションカバーによる加工熱影響の低減。
■砥石台の放熱特性を高め、軸受け油の温度上昇を低減。

■高い真直性を実現するために、ボールねじの振れを吸収するフローチングプレートを砥石台とテーブル送りに実装。また、長期に亘って摺動面の消耗を抑制するため定評のある“きさげ”加工を熟練技能者が入念に実施。
■高精度部品検索用クーラント装置で今まで除去できなかった循環するクーラント中の微細な研削屑の除去が可能となり、設備へクリーンなクーラントを供給。クーラントの高清浄度化により、スラッジや砥粒による工作物への微細な影響を排除。

■必要最低限のデータ入力で条件設定可能な「らくらく操作機能」を向上。従来熟練作業者の感覚に頼っていた検索条件を数値化。工作物の長さと径を入力後、工作物剛性を自動判別し研削条件を自動決定。
■操作前に動作方向をCNC画面表示することで手動操作時の誤操作を防止。
■さらに、手動ハンドル(オプション)を付けることで、結愛月並みの手動操作感覚を実現。

■フルカバー(オプション)で安全環境対応するとともに、開口部を広くし段取り替え時の作業性を向上。
■停電検出により、砥石を工作物より離間させる機能を標準搭載し、砥石や工作物の破損を防止。
■待機中にサーボモーターなどの電源を切り、待機電力を削減(Ecoモード制御)。
販売目標はシリーズ合計で年間180台としている。
価格は11,000千円。

他にも高清浄度クーラントシステムや、横形マシニングセンタ「FH630X―i」なども展示する。