日機連 新会長に岡村 正 東芝相談役 「景気回復の芽を実体経済の成長にしっかり繋げておくことが重要」

あいさつする岡村新会長
あいさつする岡村新会長
日本機械工業連合会が5月17日、都内のホテルオークラで平成25年度第1回総会を開催し、岡村 正 東芝相談役が新会長に、副会長として前会長の伊藤源嗣 IHI相談役、犬伏泰夫 神戸製鋼所相談役、庄山悦彦 日立製作所相談役、大宮英明 三菱重工業会長がそれぞれ選任された。

総会終了後に機械関係業界から約200名の出席者のもと懇親会を開催した。
岡村新会長の就任あいさつは次のとおり。

この度、日機連会長の退任を仰せつかりました。皆様どうぞよろしくお願い申し上げます。
わが国経済は円高、株高のいわゆるアベノミクス効果と米国を始めとする外需に支えられて、改善傾向を示す経済指標が出始めております。今後はこうした景気回復の芽を実体経済の成長にしっかり繋げておくことが重要でございます。

ご承知のとおり、わが国は、世界に先駆けて独創的な先端技術や新製品の開発、実用化に務め、国際競争力の高い工業製品を世界に送り出すことにより、経済の成長と反映を確保してまいりました。しかしながら、長引くデフレ下における内需の低迷、円高等を背景に、加工組立産業を中心に生産拠点の海外移転の動きが続いてきました。近年ではその動きが素材産業や基幹部品産業まで及びまして、わが国の国際競争力の源泉とも言える技術開発・製品開発の基盤が喪失してしまう恐れが出てきております。昨年暮れ以降、海外移転の動きはやや沈静化しつつあるものの、為替の動向次第では再び逆戻りする懸念も考えられます。一旦海外へ研究開発や基幹部品生産などの重要拠点が移転してしまいますと、国内への回帰はなかなか容易ではございません。極めて憂慮すべき状況に、抜本的な対応策を講じる必要があるのではないかと考えております。

政府におかれましては、一刻も早く、デフレ経済からの脱却を図るとともに、景気回復への期待が高まっている今こそ、我が国経済を再生するチャンスでありますので、まずは来月、打ち出されると伺っている「新成長戦略」をスピード感をもって早期に、確実に実行していただきたいと存じます。各種規制の緩和、電力供給の安定化、FTA、TPPなど自由貿易協定の早期締結、法人税率の引下げなど、国内需要の創出とともに海外市場を見据えた産業の活性化、国際競争力の強化に繋がる諸政策を是非実現されますよう、よろしくお願い致します。

産業界としては、これまで培ってまいりました人材・技術を基盤と致しまして、緩むことなくイノベーションを続け、新技術開発、付加価値創出、生産性向上に努めることで、国内のものづくりを維持し、産業浮揚を図ることが重要と考えます。国際競争力を高めることで、グローバル市場の需要を自らの成長に取り込み、生み出した利益を更なるイノベーションに繋げていく、好循環を構築していくことがなによりも肝要と考えています。政府に求める支援・施策につきましては、皆様とともに検討していきたいと思っています。同時に協会の重点課題である人材育成についても引き続き尽力して参る所存でございます。

日機連の会員は、いずれも産業界において、国の内外を問わず指導的な役割を果しておられます。従って、今後、日機連に期待される役割もますます重要になっていくものと考えます。我が国が抱える喫緊の課題として、まず、福島の再生と被災地の復旧・復興がございます。そして、電力供給安全のために欠かせない原子力発電の早期再稼働、更には持続可能な社会保障制度の構築と、中長期的な財政再建化を目指す「社会保障と税の一体化」と課題が山積しています。日機連としてもこれらの諸問題に正面から取り組みまして、解決に尽力してまいる所存です。会員の皆様方の御協力と御支援を頂きまして、また、経済産業省の御指導と御支援も受け賜りながら、会長としての職責を果していきたいと考えます。

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