サービスは日本の強み

今年はアメリカの景気回復が期待されており、明るい兆しもチラチラと見えてきた。ここで一発カマしたいところだが、国内の需要がついていかないなど課題が残っている。

年末に製造業の情勢に詳しい某氏と居酒屋でお話をしたところ、「日本はサービスと新素材だ」とのこと。私もまったく同感だった。

“売りっぱなしにしない”というキメの細かなサービスは日本の強み。最先端の設備を求める方々やそうでない方々にも“サービス”は貴重なものである。

たとえば高齢者が最新のブルーレイ付きテレビやパソコンを購入した場合、メカについていけない、ということがある。せっかく購入したのに使いこなせない。説明書が入っていてもなかなか理解できない。それがメカに疎いというもの。

私の育った田舎には安売りを全面に押し出している家電チェーン店(ここではX店)とあまり安くない地元販売店(ここではA店)がある。高齢者やメカに疎い者は、若干値段が高くても、あまり安くないA店で品物を買う。A店は昔からあるお店であり、ここ数十年の間に安さを売りにしているX店が新しく進出してきても、著しい値引きをしなかった。

田舎では若者が都会に流れる傾向があるのでメカに疎いお年頃が多く、先述のとおり、たとえば新しいブルーレイ付きテレビを購入してもイマイチ使い方が良く分からない。ところが、A店で最新テレビを購入すると、後で使い方が分からなくなってしまっても、電話一本ですぐに対応してくれる。たとえば「録画の仕方が分からない」といったことでも、家に来てくれるのだ。うちの母も最新テレビを購入した際、何度もA店に連絡をしたと聞いた。とてもアフターサービスが良いのだ。

したがって、最先端のものに腰が引ける高齢者も怖がることなく最新のものに買い替えることができる。これは田舎ならではのものだけれど、世界に当てはめてみても同じようなことが言えるのではないか。開発競争がますます熾烈化し新技術が次々と生まれてくるなかで、世界が求める多様なニーズに“売りっぱなしにしない”ということも選定の決め手になるだろう。

いずれにせよ、“かゆいところに手が届くサービス”は日本の強み。今年は日本のきめ細かなサービスをいかに世界PRするかも重要なポイントのひとつになると感じる。

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