微細加工の限界に挑むMOLDINO野洲工場 金子社長に聞く
これがMOLDINOの誇る『美彩加工室』だ!
美彩加工室に入ると、そこはブラックを基調にした高級感溢れる世界が広がっていた。照明に照らされて展示されていた数々の微細加工のサンプルが煌びやかに輝きを放っている。向かって左に芝浦機械の『UVM-450D(H)』、右に碌々スマートテクノロジーの『AndroidⅡ』が設置されていた。ちなみにブラックのAndroidⅡは、MOLDINO仕様。2台とも部屋が区切られており、それぞれを23℃±0.5℃の環境で恒温化している。
機械の背面に設けられたドアの先には、「準備室」が広がる。ここには被削材や焼きばめ装置が配置され、工具の着脱や段取り作業を行うための専用空間となっている。いわば加工精度を左右する“前工程”を担う重要なエリアであり、加工室と同等の厳格な環境管理が施されていた。
美彩加工室の真価は、こうした細部への徹底した配慮にあった。精密加工に不可欠な温度管理においては、機械から発生する排熱の影響を排除するため、付帯設備を恒温室の外に配置。準備室も同様だった。
微細加工はわずかな振動すら精度に直結する。このため各機械の下には約700ミリの基礎を打ち込み、地盤から徹底的に強化。加工の安定性を物理的に担保している。
特筆すべきは、恒温環境の“見える化”だ。室内には温度センサーを下部3箇所、上部3箇所、さらにエアコン送風口1箇所の計7箇所に配置。空間全体の温度分布を常時監視し、精密加工に求められる環境を高い精度で維持している。
環境、設備、管理――――。そのすべてを高次元で統合することで、微細加工の限界に挑む体制がここに築かれていた。なお、この美彩加工室にはすでに約100社、600人ほどが訪れている。
加工精度のさらなる高度化を追求したMOLDINOは、他社との差別化を明確にしながら顧客に対して一段上の付加価値を提供する体制を整えていた。この美彩加工室は、単なる設備増強ではなく、〝顧客の価値を引き上げるための進化〟を象徴している。



