【令和8年 年頭所感】日本工作機器工業会/日本精密機械工業会/日本工作機械販売協会

「ビジネスチャンスは大きな広がりを見せている」
●(一社)日本工作機器工業会 会長 寺町彰博

 あけましておめでとうございます。    
 年頭に際し、所見を述べさせていただきます。

 昨年の世界経済は、ウクライナや中東情勢をはじめとする地政学リスクの高まり、インフレの進行、そして米国の関税政策など、多くの懸念材料がある中で、先行きに対する不透明感がさらに増すこととなりました。

 日本に目を向けますと、夏には歴代最高気温の記録を上回る地点が続出するほど未曽有の猛暑に見舞われ、私たちの生活に様々な影響をおよぼしました。しかしながら、そのような中で開催された大阪・関西万博においては、世界の分断が進む中で、様々な国や地域の人々が一つになり、未来の技術や世界の多様な文化が披露されたことは大変意義深く、将来への希望がもたらされた年でもありました。

 当工業会に関連する動きに目を向けると、半導体関連においては需要の牽引役が多様化する中で、生成AIなどの新たな成長ドライバーや自国生産拡大の動きなどを背景に今後も大きな拡大が見込まれます。さらに先進国を中心とする自動化・ロボット化の進展、自動車業界における環境対応車へのシフトや再生可能エネルギー関連の投資の拡大など、私たちのビジネスチャンスは大きな広がりを見せています。

 そのような中、これからの日本の機械産業は、さらなる技術革新と持続可能な開発を追求し、社会のニーズに応えることが求められます。特に、AIやロボティクス、クリーンエネルギー技術の活用が重要となるでしょう。また、人材育成と国際協力を進め、世界中の課題解決に貢献することが重要です。一方で、今後の日本の発展を考えたとき、先端技術の追求だけでなく、従来の先進国からグローバルサウスと呼ばれる新興国にマーケットが移動してきている中で、その動きにどう向き合い、どのように対応して地位を確保していくのかが今後の業界にとっての大きなポイントとなるでしょう。

 従いまして、当工業会といたしましても、会員の皆様と強い信念を共有するとともに、新技術の導入や各種ニーズへの対応を図りつつ、社会に求められる製品やサービスを提供し、業界の発展に尽力してまいりたいと存じます。

 結びになりますが、会員企業様の益々のご発展と皆様のご健勝とご多幸を心より祈念し、年頭の挨拶とさせていただきます。

「お客様に喜んでいただくには何ができるか」
●日本精密機械工業会 会長 北井正之

 昨年末、弊工業会では、中小企業にとって不可欠な「事業承継」と、導入が進む一方で苦手意識を持たれがちな「AI活用」をテーマに、それぞれ二回ずつセミナーを開催いたしました。どちらも参加者の皆さまから大変好評をいただき、「もっと詳しく知りたい」との声が寄せられるほど、充実した内容となりました。

 事業承継は企業の永続的な発展に直結する重要なテーマであり、またAI活用は営業力の強化や設計・開発・製造の効率向上に大きく寄与します。中小機械メーカーが今後さらに成長していくためには、これらの課題に積極的に取り組むことが不可欠であると考えております。

 弊工業会では、各委員会を通じて「お客様に喜んでいただくには何ができるか」を軸に、会員企業の経営課題解決や技術力向上を支援するため多彩な活動を実施しております。本年度も、こうした活動を通じて会員企業の経営課題の解決を支援するとともに、「支払い条件の変革」など経営の健全化にも積極的に取り組み、日本の工作機械の発展に貢献してまいります。

 「2026年が、私たち工作機械業界にとって、また皆さま一人ひとりにとって、明るく前向きで実り多い一年となることを心よりお祈り申し上げます。」

「2026年は内需回復の年」
●日本工作機械販売協会 会長 髙田研至

 皆様、新年明けましておめでとうございます
 健やかに新春を迎えられました事、謹んでお慶び申し上げます

 昨年を振り返りますと、世界情勢はロシアのウクライナ侵攻はまだまだ着地点が見えない現状、中東でのイスラエルとハマスの戦闘は第一段階の和平合意はされましたが予断を許さない状況、米国のトランプ大統領の自国第一主義により100か国超に対して相互関税の上乗せ、米中の覇権争い、など、多くの不安要素が、今後の世界経済に影響を与えております。
 国内情勢においては大阪・関西万博の大成功、衆参両院では与党の過半数割れとなりましたが、高市政権発足による期待感もあり、株価が5万円越えと明るい話題もあった一方、円安、物価上昇、人手不足、人件費高騰、そして日中の軋轢など取り組むべき課題が山積しております。

 昨年10月メカトロテック2025「この発見 激アツ!!!!」が開催されました。前回のJIMTOFと同様に自動化、高効率化、知能化、デジタル化といった技術革新、工程集約や同時5軸複合加工機が現実的に採用されつつあり、また、切削工具、計測機器、周辺装置においても、生産性向上、品質向上、環境対応製品が数多く出展され、向上心、危機意識を持ったユーザー様が各ブースにて相談している姿も数多く見られ、本年においては、生産性向上、自動化、環境対応への投資がされる事を確信いたしました。

 業界における最大ユーザーである自動車業界様では、BEV(電気自動車)の計画が見直され、HEV(ハイブリット車)PHEV(プラグインハイブリッド車)への投資が活発化し、トヨタ自動車様は、北米プロジェクトを中心に、相当数の設備投資が見込まれ、サプライヤー様も同様に投資が期待されます。航空・宇宙、防衛、造船は引き続き活況が予測され、2026年後半には、半導体設備向けも回復すると言われる中、2026年の内需は大いに期待できる状況です。

 さて、今年は投資意欲の回復も期待できますが、一方、懸案事項として、人手不足、中小企業の廃業など、日本の製造業を根底から支えていたビジネスモデルが崩壊しつつあります。また、工作機械のビンテージ問題として、10年以上の機械が60%以上、15年以上の機械が50%以上と日本の競争力回復を阻んでおります。

 市場の環境は整いつつあります。是非、ユーザー様の投資意欲を我々商社が駆り立て、古い機械から新しい機械へ、そして付随して機械工具を最新の製品にして、ユーザー様の生産性向上のお役に立てればと思っています。

 最後になりますが、2026年は間違いなく内需回復の年になります。

 

MOLDINO