日本工作機器工業会が創立70周年記念式典を開く

あいさつする寺町会長(中央)

 日本工作機器工業会(会長=寺町彰博 THK会長)が、5月20日、東京會舘(東京都千代田区丸の内)で創立70周年記念式典を開いた。

 寺町会長はあいさつの中で、「日本の機械産業は第二次慧海対戦の復興期に始まり、急速に発展を遂げた、1590年代から1960年代にかけて国内のインフラ整備や産業かの進展に伴い機械産業は飛躍的に成長した。この時期、精密機械や重工業が特に重要な役割を果たし、日本は世界屈指の工業国としての地位を確立した。1970年代から1980年代にはエレクトリニクスや自動車産業が発展し、機械産業の多様化が進んだ。この時期、技術革新が急速に進み、ロボット技術やコンピュータ制御技術の導入が進んだ。これにより生産効率が大幅に向上し、高品質な製品を世界中に提供できるようになった。日本の工作機か産業も1970年代には急速に成長を遂げ、品質と性能の向上が追求された。この時期、日本の工作機械メーカーは高精度かつ高効率な機械を開発し、市場での競争力を高めた。」などと歴史を振り返ったあと、現在の環境に触れ、「情報技術の進展により、工作機械もより高度な精度とデータ管理が可能となり、製造現場の効率化と生産性向上が実現した。また、工作機器を始めとする部品産業においても、新材料や新技術の導入により、さらなる製品の性能向上が求められるようになった。これからの日本の機械産業はさらなる技術革新と持続可能な開発を追求し、社会のニーズに応えることが求められるようになると思う。」とし、「今後とも工業会が一丸となり、関係官庁、関係団体を始め、皆さま方のご支援いただきながら一つずつ着実に課題を解決していくことによって、工作機器産業のさらなる発展を実現できることを確信している。」と力強く述べた。

 続いて工業会の永年役員に対し表彰状の授与が行われたあと、会長感謝状などの贈呈が行われた。

経済産業省 須賀 産業機械課長

 武藤経済産業大臣が公務多忙により欠席となったため、須賀千鶴 経済産業省 製造産業局産業機械課長が、「貴工業会は昭和30年4月に設立されて以来、標準化を通じた生産体制の整備や、品質向上等に対する取り組みを通じ、製造業を支える重要産業である工作機器産業の健全な発展に貢献してこられた。その後、活動の基盤を強固なものとするべく、平成4年には社団法人日本工作機器工業会に、平成24年には、公益法人改革に伴う一般社団法人化の認可を得られました。創立以来、一貫して工作機械に関する生産、流通等の調査、技術および安全性の研究、内外関係機関等との交流や協力を通じた普及・啓発等、精力的に事業を推進し、近年は人材育成や異業種交流、積極的な情報発信など、活動の幅を広げつつ、業界のさらなる飛躍のために貢献してこられた。この70年間を振り返ると、貴工業会および会員企業の皆さまは、高精度な機械加工の基盤となる工作機器を提供することで、日本の製造業の発展に寄与し、業界の礎を築いてこられた。戦後の復興期から始まり、経済成長の波に乗り、国際競争が激化する中で、皆さまの不断の努力と情熱があったからこそ、こんにちの日本の産業基盤が築かれたといっても過言ではない。他方で、かつてのオイルショックやバブル崩壊、近年では東日本大震災や新型コロナウイルス感染症といった歴史的な試練ともいうべき大きな環境変化もあった中で、新たな技術の導入と品質向上に向けた努力を続け、業界の基盤を強化し、わが国全体の産業競争力強化に大きく貢献されてきたことに深く敬意を表します。」と祝辞を述べた。

 
 

 

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