サンドビック コロマント会ストラテジックカンフアレンス(東日本・中日本・西日本)がオンラインで配信

 サンドビックの「コロマント会ストラテジックカンファレンス」が、4月14日にオンラインで配信され、戦略が発表された。今回のストラテジックカンファレンスは名古屋にあるサンドビック・コロマント・センターで行われ、同センター内の主な設備も紹介された。

サンドビック・コロマント・センターを紹介

 1階には2台の機械があり、最新工具の展示やハードウエア、ソフトウエアを含めた最新のソリューションを体験できるエリアがある。産業に特化した機械の使用により、顧客の設備に近い環境で加工デモンストレーションが行われる。大型ディスプレーモニターが設置されており、機械内に設置したカメラの加工映像も見ることができる。また、モニターはタッチパネル仕様となっており、同社のソフトウエア関連製品やさまざまな機能を持ったウェブサイトをご体験いただけます。

 2階の設備は、顧客などが来所された際に休憩できるラウンジスペース、講習や打ち合わせに使用できるトレーニングルーム、スタッフ用の事務所がある。スカンディナビアデザインを意識した家具を設置し、白やナチュラルカラーを基調とした北欧デザインを取り入れている。空調管理のしやすい環境に配慮したレイアウトで、SDGsに配慮した設計となっており、断熱効果の高い建材の採用や日差しを考慮した間取りなどで、電気代の節約やCO2の削減、地球温暖化の抑制に貢献している。

戦略を説明する髙宮カンパニープレジデント

 コロマント会の役員の紹介のあと、サンドビック・コロマントカンパニーの髙宮真一カンパニープレジデントが、「自動車、航空機、防衛、宇宙、工作機械、半導体製造装置など、景況感は確実に上向いている。本年後半に向けて日本の製造業の復活と再生に期待し、それに向けて常に業界の最先端をいく活動・提案を、強化・推進して、皆さまと共に持続可能な組織・会社を目指していく。」と意気込みを示したあと、昨年度の世界的なトレンドについて説明があった。

 それによると、コロマントはアメリカ、ノース・セントラル・ヨーロッパ、サウス・ウエスト・ヨーロッパ、ノースアジア、サウス・アンド・イースト・アジアの5つのセールスエリアがあり、日本は、インド、東南アジア、オセアニアと共に、サウス・アンド・イースト・エリアに属している。アメリカは、昨年度は一服感があったが、航空、防衛を中心に非常に高いレベルで好況を維持している。

 ヨーロッパエリアは、イギリスのエネルギー関連やフランスの航空機関連の好調はあったが、ドイツを中心とした自動車業界の低迷が足を引っ張り、厳しい状況だったが、少しずつ回復基調になっている。

 ノースアジア、中国、韓国、台湾は、回復基調にあったが、非常に回復スピードが遅い状況である。

 日本が属するサウス・アンド・イースト・アジアでは、インドは絶好調、オーストラリアも航空機がけん引、シンガポールもオイル・アンド・ガス関連で好調だったが、東南アジアは日系自動車関連の影響を受け、一部のマーケットを除き厳しい状況だった。日本においては、航空、防衛、造船、エネルギー関連は堅調でしたが、自動車、一般産業分野は厳しい状況だった。

 髙宮カンパニープレジデントは成長へのシフトについて、「既存事業のさらなる拡大と企業買収による成長の2つの柱を掲げている。既存事業においては、自動車EV化への対応、戦略的に重要な航空・宇宙産業、機械搭載事業をより強化し、同時にソリッド工具、自動車用アルミ加工製品、デジタル製品などを強化し、また旋削工具、フライス工具、ソリッド工具分野の新製品を投入し続け、集中的にマーケティング活動、営業活動を実行し、マーケットシェアを獲得しながら、引き続き超硬工具メーカーとして成長していく。」と意気込みを示した。また、同社が戦略的に注力する分野については、積極的なM&A活動を行い、さらに持続可能な会社への成長を加速していく。」と述べた。

 田中流通部長から、営業戦略について説明があった。この中で、田中流通部長は、「競争力が高い新製品を市場にいち早く浸透させるための積極的なプロモーション活動を行う。従来どおりターゲット顧客への戦略的取り組みへも傾注しつつ、M&Aによる新たなソリューションを活用した新規機会創出、新規ビジネスエリアへの展開などにより、ビジネス拡大を目指す。CAMを使える人材を昨年からさらに増やし、従来の刃先からツーリングまでのトータルソリューション提案に最適な加工プログラムを加えた付加価値の高い提案を強化し、他社にはない体系的なトレーニングコースや、コロマントセンターからの最新情報発信など、サンドビックにしかできない顧客サービスを提供する。また、本年もギアセミナーや機械メーカーとのコラボイベントなど、非常にさまざまなイベントを実施する予定だ。」と述べた。 

 また、「本年もわれわれの強みである高い生産性を持ったフォーカス製品をいち早く市場に浸透させることが非常に重要であると考え、今年もフォーカス製品の〝お試しキャンペーン〟を6月と11月に実施する予定だ。流通市場で非常に拡販いただきやすいCoroDrill Dura 462をはじめ、競争力が高い製品が続々と導入される予定になっている。」と述べた。
 

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