【トップインタビュー】「販売しているのはお客様の生産性」ブルーム-ノボテスト 朝尾社長に聞く

 


世界の4拠点に開発拠点「コンピテンスセンター」を順次開設

 ― 現在、海外で伸びている地域を教えてください。
 朝尾 アメリカ、中国、インドです。現在、開発拠点である〝コンピテンスセンター〟をアメリカのシンシナティ、中国の上海、インドのバンガロール、ドイツ本社の世界4拠点で建設中であり、こちらとの連携も進めています。この4拠点を私たちは〝BNCC〟と呼び、順次、オープンする準備を整えています。その中で日本は本社との連携で開発ハブの役割を担うことになります。
 ― 現在、中国の台頭が目覚ましい印象を受けています。BNCCを立ち上げた狙いを教えてください。
 朝尾 特に中国、インドは5年、10年前と比べると工作機械も技術の向上が目覚ましい。押し上げていく力に強さを感じています。最初に手探りの状態で本質的な開発をしているのは日本やヨーロッパ企業ですから、中国はその後追いで開発しているのでスピードが速い。わたしたちもこのスピードに対応していかなくてはならないので、開発はドイツだけということではなく、ローカルでスピード感を持って開発スパンを短くできるようにBNCCを立ち上げました。正式なプレスリリースは追って公表させていただきます。
 ― 先ほど、営業に注力するとのことでしたが、国内営業展開についてのお考えは。
 朝尾 国内では現在、営業担当者全員がこの小牧から営業に向かっており、距離が遠くなれば遠くなるほど、わたしたちの製品の良さや課題解決などの提案が思ったように提供できないというのを痛感していますので、できるだけ早い段階で営業所を開設したいと考えています。新しい拠点をつくることによって、お客様への訪問件数を増やし、課題解決に向けたご提案をしていきたい。
 ― 朝尾社長はリアルを大切にしている印象を受けました。
 朝尾 フェース・トゥ・フェースでしか生まれないものもあると感じています。現場に行くと、お客様が大切にしている価値感や会社のモットーが分かります。たとえば、会議室のつくりはだいたいが似たり寄ったりですが、現場である工場は違います。入った瞬間から社訓が掲げてあったりすると、会社のモットーが分かります。感覚的に掴める情報はリアルで得られるものなのだと思います。お客様の現場を訪問するのは本当に大切なことだと感じています。わたしたちメーカーが自社製品の良さをお客様に伝え切れていない、あるいは商品と解決策があるのにもかかわらずお客様が知らない状態にあるのはメーカーの責任です。販売店、代理店との連携を含め、そこを強化していきたいと思っています。

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