牧野フライス精機 清水社長に聞く ~工具研削盤に初めて〝極小径〟をつけた『DB1』とは~

 

充実した標準仕様とオプション

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機上ドレスの様子。ドレスカバーはマグネットにより簡単に着脱可能

 

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ドレス装置はU軸に収納できる

 ―標準仕様も充実しています。
 清水
 小径工具はたとえばシャンクがφ10の2μmとφ0.03の2μmは全く重みが違います。より振れ精度に気をつけなければならず、シャンクサポートが必須ですからSS7から引き続き標準仕様にしました。他にも給脂のメンテンナンスフリーを実現するグリス自動集中供給も標準仕様にしています。また、極小径工具は砥石の先々にある砥粒で削っているようなイメージで、ドレスが非常に重要です。基本的には砥石スリーブを着けた状態でドレスをしなくてはなりません。外でドレスをしたものを持ってきても、再クランプをしたときに位置が変わってしまうので、機上でドレスを実行するためロータリドレッサも標準で付けています。使用しないときは脇に置くよう設計し、砥石の屑がたくさん出るので、繊細な部分にはカバーを付けられるようにしています。

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オプションの砥石形状や加工したワークを機上で確認することができる脱着式カメラシステム「easy checker」

 ―デリケートな極小径工具研削ですが、さらに高精度と高能率の両輪を可能にするためのオプションも気になります。近年、自動化が求められているので連続加工も実現しなければなりません。
 清水
 小径工具は連続加工前の1本目の形状出しが難しく、まだまだ人が介して目視しながら「きちんと当たってるね、形状が出てるね」とか、「まだ芯厚が厚いようだからもう少しいこうか」など調整するものですが、小径工具はそれが見えないものです。外に出して顕微鏡で見て、ワークを再クランプするとなるとまたわずかに位置が変わってしまうのでこれが手間だったのですが、この手間を排除するために、今回、着脱式カメラシステム『easy checker(イージーチェッカー)』をオプションで用意いたしました。これは、段取り時の刃部サポートの位置合わせ確認や、加工したワークの機内形状確認を行うことができる機内形状確認用小型カメラです。撮影した映像は操作盤モニターに表示されます。2点間距離、角度、Rサイズなどの簡易測定も可能で便利な機能です。段取りもスムーズになります。

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