【年頭所感】「人、社会、地球が共に栄える未来を切り拓く」コマツ 代表取締役社長(兼)CEO 小川啓之

240118コマツ 小川社長 謹んで新年のご挨拶を申しあげます。

 昨年は、国内においてはコロナ禍からの本格的な経済回復が見られた一方で、経済安全保障リスクや地政学リスクの高まり、トルコ・シリア地震をはじめとするさまざまな災害発生など、グローバルでの当社を取り巻く外部環境は大きく変化し不確実性が高まった一年となりました。

 昨年の建設・鉱山機械の事業環境を振り返ると、一般建機は金利上昇、インフレの影響や一部の国での政情不安等により、欧州、アジア、中南米を中心に需要が減少したものの、北米においてはレンタル、インフラ、エネルギー関連向けが堅調に推移しました。また、鉱山機械の需要は資源価格がある程度のレベルを維持しており引き続き堅調に推移し、機械の高稼働による部品・サービス売上げも増加しました。各地域での販売価格の改善や為替の影響もあり、上期の業績は売上高・利益ともに過去最高となりました。

 本年は、世界経済の先行き不透明感による景気後退が懸念され、一般建機の需要が減速することが想定される一方で、鉱山機械の需要は引き続き堅調に推移することが見込まれます。このような状況のなか、本年4月には、3カ年の中期経営計画「DANTOTSU Value - Together, to “The Next” for sustainable growth」の最終年度を迎え、目標達成に向けた活動を着実に進めていきます。

 特に、当社はキーコンポーネントの自社開発・生産を強みとし、延長保証契約による純正部品の販売やコンポーネントの再生事業、Komtraxを活用したデータドリブンのビジネスモデル等によりバリューチェーンビジネスを強化することで、機械本体販売後の収益拡大を図り、需要変動などの環境変化に左右されにくい企業体質の構築に注力しています。また、2050年カーボンニュートラル実現に向け、バッテリー車、燃料電池車や水素エンジンなどの研究開発を進めるとともに、既に当社が実用化しているハイブリッド、ディーゼルエレクトリック、有線電動、トロリー給電などのブリッジテクノロジーの拡大にも継続的に取り組んでいます。

 昨年は、「電動化建機市場導入元年」として、0.5t~20tクラスの計4機種の電動化油圧ショベルを市場導入し、電動化市場の形成促進に努めました。本年からは、昨年買収した米国のバッテリーメーカーABS 社の技術や、様々なパートナーとの協業による知見を活用しながら、様々な出力、環境や稼働時間等の条件下で使用される建設・鉱山機械各機種に最適なカーボンニュートラルへのアプローチのために開発・生産体制を強化し、また、将来の電動化建機の市場形成時におけるコンポーネント戦略の検討も進めてまいります。

 コマツは今後も、「品質と信頼性の追求」と、当社の存在意義である「ものづくりと技術の革新」で新たな価値を創り、人、社会、地球が共に栄える未来を切り拓く」ことを目指してまいります。最後になりましたが、皆さまにとって素晴らしい1年になりますように、心より祈念いたします。

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