【切削工具・周辺機器編】MECT2023で注目の製品はコレだ!

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前回展

 

 10 月18 日(水)から21日(土)までの4日間、ポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)で「メカトロテックジャパン2021(通称MECT) 」が開催される。製造現場ドットコムでは一足早く、「工作機械編」と「切削工具・周辺機器編」に分けて注目メーカー各社の目玉製品を公開する。
 (イスカルジャパン、イワタツール、オーエスジー、北川鉄工所、住友電気工業、大昭和精機、ダイジェット工業、日進工具、日新ダイヤモンド、不二越、ブルーム-ノボテスト、三菱マテリアル、MOLDINO、ユキワ精工)

安定した高能率加工とコスト低減を両立するイスカル最新工具群
●イスカルジャパン

231016Mイスカル 見どころは、好評を博している高精度90°肩削りカッター「NEODO(ネオドゥー)」が拡張し、エンドミルおよび耐熱合金/ステンレス鋼加工に対応する2種類のチップ。注目したい点は高剛性ダブテイルクランプ構造(浮き上がりやビビリを防止)と分厚いチップを採用することで、工具剛性を上げ切削条件アップを可能とする点だ。「特に負荷変動の厳しい断続切削において良好な結果が得られる。」と同社も自信を見せる。耐欠損性に優れる、ポジ切刃、両面8コーナー仕様のチップは、切削抵抗を低減し、安定した加工を可能とする。ワークの取り代が減りつつある金属加工業界への最適化を狙い、最大切込み深さは5mmとした。ブース番号「2A16」にてこれらの最新工具に要注目!


「新常識の工具」や「新時代の班代油切削加工システム」を提案
●イワタツール

231016Mイワタツール 「新常識の工具」や「新時代の汎用切削加工システム」を提案する同社。今回の目玉となる製品は高速アルミ加工用ヘリカルエンドミル「ドリミル」。この製品は特徴的底刃形状のヘリカル加工用エンドミルで、センターピルホールで切粉の排出をし、高速アルミ加工を可能にするメリットを持つ。また、中低角を増大することによる切削抵抗の低減を実現し、自動車外装パネルへの穴加工・トリミング加工にも適用可能である。出展ブースでは、JIMTOF2022よりも切削時間を短縮したアルミ加工を実演。「ドリミル」を使用し、さらに速度を上げての加工実演を行う。

サステナブルイノベーション!
●オーエスジー

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高能率型「AE-CRE-H」、高送り型「AE-HFE-H」

 今回の主な展示製品は、新製品の高硬度鋼用超硬エンドミルラジアスタイプ高能率型「AE-CRE-H」、高送り型「AE-HFE-H」だ。高能率型の「AE- CRE-H」の優位性は、大きな正R形状で大きな切込み深さと高送り加工を両立すること。一方、高送り型の「AE-HFE-H」は、独自の複合ラジアス形状で切削抵抗を低減して、L/D=7の長い突き出しでも高速・高送り加工を可能にする。双方ともに〝再研磨〟を考慮したストレート部を設定していることも特長のひとつ。再研磨による資源循環型の加工環境を実現する。また、CO2排出量を約50%削減(製造時における削減量)する環境配慮型工具「GREEN TAP」も日本初披露となるので、こちらも要チェックだ!

省力・省人化技術が詰まった多くの新製品が展示!
●北川鉄工所

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RKT500

 特に注目したい製品は、今年4月に発売した新商品ローラギヤカム傾斜NC円デーブル「RKT500」。小型・軽量化設計で30番MCへ搭載でき、大型アルミワークの多面加工も可能。ローラギヤカム機構により長期間安定した精度を維持し、高速回転を実現する。ロータリージョイントが油圧・空圧6+マルチパーパスホール1ポートの計7ポートに対応。最大Φ500mmのワークが搭載可能で、工程集約や省スペース化に貢献する。その他、8月発売のシリンダ内蔵高速パワーチャック「HRS08」や薄型デュアルロックチャック「DLR08」など多くの新商品を展示予定している。また標準チャックを使用したジョー自動交換システム「BR-AJC」のデモ実演も実施。同社の最新技術、省力・省人化技術を提案する。自動化を検討されている方は必見!

各種産業向けに幅広い商品群を展示
●住友電気工業

231016住友電気 今回は、自動車・EVをはじめ航空機や小物部品といった産業別に展示コーナーを設け、各種産業向けに幅広い製品群を展示する。注目の新製品は、鋼・鋳鉄加工用超硬コーティングドリル『マルチドリル MDH型』。この製品は従来品に対し加工負荷を大きく低減しつつ、耐欠損性を高めた切れ刃形状により安定した高能率加工を実現。また、高能率加工により各産業分野でのGXの実現に向けた消費電力量・CO2排出量の削減に貢献する。特長は、新シンニング形状「RPシン二ング」の効果により、切りくず排出性を向上することで大幅な加工負荷の低減を実現し、高能率条件でも安定した加工が可能になること。また、最適化された独自の切刃形状によって応力集中を抑制し、耐欠損性を向上している。耐摩耗性と耐欠損性を両立した新PVDコーティング「HFコーティング」の採用により幅広い切削条件で安定した加工も実現している製品だ。

重切削加工の課題を解決!
●大昭和精機

231016M BIG 今回の目玉は、重切削加工において、エンドミルが抜ける、滑るなどの問題を解消すべく、ミーリングチャック用「PGストレートコレット」。ストレートコレットに施した抜け防止、回り止め機構により、チャックホルダと切削工具を確実にロック。工具が破損して抜けなくなった場合でも、ホルダからコレットを抜き取る事ができ、最小限の交換で対応可能。BIG「メガダブルパワーチャック」や「ニューハイパワーミーリングチャック」のBBT/HSK/BIG CAPTOホルダに対応、難削材においても安定したエンドミル加工が行える。コレット外径:φ20。コレット内径:φ10,12,16。コレット口元からの端面給油仕様。

注目の「EXSKSシリーズ」に加え、当日発表の隠し玉もアリ! 
●ダイジェット工業

231016Mダイジェット 従来の両面6コーナーの高送り工具SKSエクストリーム(EXSKS)の07、09タイプに、小径多刃で高送り加工が可能なEXSKS-05タイプを加えサイズを拡張して「EXSKSシリーズ」として統合して展示する。タイプが拡張されたことにより、それぞれの加工用途に応じた最適工具が選定可能になっている。また、当日発表の〝隠し玉〟もあるとのことで、こちらも期待大だ。さらに同社が工具業界初の製品を歌にした「ストライクドリルの歌(3番)」もこの機会に発表され、会場ではストライクドリルの歌完全バージョン歌詞入りクリアファイルが配られる。ダイジェットファンにはたまらない内容となっている。

「生産性向上」、「高能率」、「高精度」、「鏡面」、「微細」となるエンドミルや新製品も!
●日進工具

231016M日進工具 今回は「生産性向上」、「高能率」、「高精度」、「鏡面」、「微細」となるエンドミル群を展示。注目したいのは、ホカホカの新製品、無限コーティングプレミアムPlus 高硬度鋼高精度加工用2枚刃ロングネックボールエンドミル焼きばめチャック対応ショートシャンクタイプ「MRBSH230SF」だ。ポジティブ切れ刃形状と耐欠損性を重視した新素材の採用で、70HRCの高硬度でも安定した切削性能を実現している。また、加工精度を向上させるため、突き出しを短くでき高剛性状態での加工が可能となっている。従来の83サイズが 115サイズに拡張され、32サイズの追加で、よりかゆい所に手が届くような嬉しい展開となっている。

「Nブランド」が始動! ニッチな商品を標準化!
●日新ダイヤモンド

231016M日新ダイヤモンド オーエスジーグループの日新ダイヤモンドは、新製品として「Nブランド」商品をオーエスジーブース内で展示する。Nブランドとはニッチ(Niche)な市場へニッチな商品を標準化したもので、従来、特殊仕様として販売されていた多くの製品を標準化することで、〝手軽に利用できる〟ことを目指したものなのだ。同社の「メジャーな市場ではなく、あえてニッチな市場をターゲットにするのはダイヤモンド工具の裾野を広げ、多くのお客様にダイヤモンド工具の長寿命、効率化、高精度を知っていただきたい。」との思いに要注目! 今回は6種類の商品を発表するとのことで期待大!

「アクアREVOシリーズ」のほか、画期的な新製品登場に大注目! 
●不二越

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アクアREVOシリーズ

 主な展示製品は、“長寿命”、“高能率”、“多用途”で、幅広い加工の困りごとを解決する「アクアREVOシリーズ」。“材料”、“形状”、“コーティング”の全てを一新し、様々な加工条件で安定した加工と長寿命を実現し、ユーザーに好評を博している。中でも「アクアREVOドリル」は、材料に硬さと靭性を両立した専用の超微粒超硬合金を開発しており、形状は摩耗や突発的な欠けにも強い直線刃形を採用。コーティングはREVO-Dコートと超平滑化処理によりスムーズな切りくず排出を実現している。また、「アクアREVOミル」も材料に専用の超々微粒超硬合金を採用し、形状は不等分割・不等リードでビビリ振動を抑制。コーティングは耐熱衝撃性に優れたREVO-Mコートでウェット加工にも強い。今回は、生産性向上、原価低減などのニーズに応えるために、これまでにない発想で新機能を加えたシリーズを新しく発表するとのことで期待大!

デジタル化で生産効率を向上する豊富なラインナップ
●ブルーム-ノボテスト

231016Mブルーム-ノボテスト 測定プロセスの工程集約、自動化、デジタル化を通じて生産効率を向上する数々のラインアップを紹介。来場者はマシニングセンタと旋盤、それぞれの機械で実施するデモンストレーションを通じて機上測定導入のメリットを体感できる。また、今回は、“機上測定化”の余地の大きい旋盤にスポットを当て、毎時のプレゼンテーションとワークショップで、同社の機上測定ソリューションを紹介。目玉製品は、機上での表面粗さ自動測定器 ラフネスゲージ「TC64-RG」。これは、ワーク表面粗さの測定プロセスのインライン化&自動化で測定工数を削減、且つ後工程への不良排出を抑制するもので、不良ワークを機外へ取り外すことなく追加工が可能。マシニングセンタも旋盤も活用が可能だ。ワーク加工後、面粗さを測定したい箇所を専用スタイラスでスキャニング、測定結果をRa、Rz、Rmax等のパラメータで表示する。「独自技術を駆使した機上測定器分野では未だ他に類を見ないソリューション。」と自信をみせる。

部品加工に不可欠な超硬工具製品を提供
●三菱マテリアル

231016M三菱マテリアル 今回の目玉となるのは小物高精度部品旋削加工用PVDコーテッド超硬材種“MSシリーズ”の「MS7025/MS9025 ポジティブインサート」だ。低送り加工領域においても優れた耐溶着性と耐摩耗性を発揮する「MS7025」と、ステンレス鋼の加工に耐摩耗性と耐欠損性のバランスに優れる「MS9025」に、ポジティブインサート32アイテムを追加し拡充していることに注目したい。「MS7025」は耐溶着性に優れる高潤滑層と摩耗進行を抑制する高耐摩耗層をナノレベルで制御したことにより、被膜損傷を大幅に抑制し、耐溶着性と耐摩耗性が飛躍的に向上している。一方の「MS9025」は、高い母材靭性により耐欠損性に優れ、粗粒WCによる高熱伝導率によって刃先の熱を抑制し、刃先強度の低下を軽減できることで、ステンレス鋼など加工硬化しやすい被削材での切り込み境界損傷抑制に効果を発揮する。

「トータルコスト削減PRODUCTION50™」を提唱
●MOLDINO

231016M MOLDINO 今回は「トータルコスト削減PRODUCTION50™」を展示全体の軸として、「高能率側面切削」「高硬度鋼直彫り」「磨き工数削減」「精密・微細加工」「アルミ加工用工具」「小径刃先交換式工具」のテーマに即した最新の工具と加工ワークを多数展示する。「高能率側面切削」展示では今年1月に発売した新商品「高能率側面切削用エンドミル ER5HS-PN」を紹介する。同製品は一般的なCAMに搭載されている負荷制御ツールパスを活用し、荒加工時間短縮・工具の集約とダウンサイジングを実現するメリットがある。「高硬度鋼直彫り」展示では焼入れ後のプレス金型をイメージしたモデルで高硬度鋼にも対応する最新の高能率・高精度加工を提案する。他にもテーマ毎に豊富なラインナップを紹介し、見どころ満載な展示内容となっている。

脱炭素社会の実現と切削工具の長寿命化を実現
●ユキワ精工

231016Mユキワ精工
スーパーG1チャック

 今回は、省資源・省エネルギーにつながるツールホルダー「G1チャックシリーズ」による切削工具の節約、ワーク面粗度の向上、加工ビビリの改善、サイクルタイムの短縮など、脱炭素社会の実現に結び付く提案を実施する。同社によると、「現在、ツールホルダーをG1チャックへ替えられて、品質の向上、コストダウンを図られたマシニングセンタのエンドユーザー様が多くいらっしゃいます。MECT2023展では、その実際の声をお伝えしながら、ツールホルダーを替えることでのその効果をお伝え致します。」と自信を見せる。また、CNC円テーブル、CNC傾斜円テーブル、ダイレクトドライブCNC円テーブルによる高能率加工で、ユーザー様における生産性向上、コストダウンを提案する。

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