牧野フライス製作所 独自の切りくず巻き付き防止機能技術「GIブレーカ」を市場投入

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 牧野フライス製作所がこのほど、穴加工時に発生する長い切りくずを、被削材を選ばず分断し、良好な加工環境を整える同社独自の技術「GIブレーカ」(特許取得済)の販売を開始した。

 この機能は、長年同社の顧客が悩んでいた穴加工時の長い切りくずによるさまざまなトラブルを解決するもので、例えば、長い切りくずが工具へ巻き付き穴加工が中断する事を無くし、生産性を飛躍的に向上させる技術。既納機に対する後付けが可能で、既に同社の対象機種を活用している顧客にも使用できる。(既納機への後付けは記載している対象機種のProfessional 6 機およびL2、Jシリーズに限る)。

 半導体/電子機器など好調なデジタル関連産業向け部品、新エネルギー車関連の自動車部品、金型の穴加工において、「切りくずによるトラブル防止」「生産性向上」「不良品削減」「環境負荷低減」に寄与する技術である。

主な特長

(1)生産性向上
 これまで加工トラブルとなっていた穴加工時に発生する長い切りくずを連続切削により分断(弊社特許技術)し、工具への巻き付きを防止する。

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(2)加工面への傷つき防止
 工具に切りくずが巻き付く事を防止した結果、切りくずによる加工面への擦過痕を防
止する。

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(3) 穴径、穴深さの加工精度向上
 切りくずが工具へ巻き付き穴加工の精度が安定しなかった点が改善され、部品の不良率、不良部品による年間損失額が大幅に削減される。高い加工精度が求められるリーマ加工においても加工面の変化なく仕上げることが可能。また、連続切削であるため(加工点から工具が離れない)、工具へのダメージを低減でき、工具摩耗の進行を抑制できる効果も期待できる。

■対象工具:リーマ、ドリル、ボーリングバー
■主な被削材:アルミ合金、炭素鋼、合金鋼、ステンレス鋼、高張力鋼、銅合金、チタン他

(4)切りくず堆積の改善
 切りくずを分断することで、加工機内や治具への切りくずの体積を削減し、切りくずによる加工トラブルを防止する。また、長いきりくずがコンベアやコンベアのフィルタを破損し機械を止めることがなくなる。さらに、排出される切りくずの体積量も削減され、切りくず処理の作業性が向上する。

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(5)作業性の向上
 切りくずが分断されることで、絡まった鋭利な切りくずを除去することが無くなり、作業者の安全性、作業性も向上する。

(6) サイクルタイムの削減
 連続切削による加工のため、工具を前進・後退し切りくずを分断・排出するステップ加工と比較しサイクルタイムの削減になる。

(7)環境負荷低減
 切くずを分断することで、クーラント使用量の削減が可能。サイクルタイムの削減、不良品発生率の削減、排出される切りくずの体積量削減により、二酸化炭素の排出量低減にも寄与する。

〈対象機種〉
●立形マシニングセンタ:iQ300、iQ500、V22、V33i、V56i、V77、V77L、V99、V99L
●5軸制御立形マシニングセンタ:D200Z、D300、D500、D800Z、DA300注3.
●e GRINDER:BG500
●横形マシニングセンタ:a51nx、a61nx、a71nx 、a81nx 、a92、a120nx
●5軸制御横形マシニングセンタ:a500Z、a800Z、a900Z、N2-5XA(5軸加工機能との併用は出来ない)
●立形マシニングセンタ:L2横形マシニングセンタ:J3、J4、J6
 

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