「妥協のない品質を求めて」 ~北川鉄工所 グローバルハンドカンパニー 北川社長に聞く~

221216top北川社長

 現在、製造業界は地球規模でカーボンニュートラルへの対応が急務であり、環境負荷低減のため加工現場では工程プロセスの効率化が求められている。グローバル化により人材の多様化も進んでいるため、ものをつくるために不可欠な工作機械は国籍・性別問わず、誰もが使える自動化・複合化へとさらなる進化が進んだ。そこで見逃せないのが、品質のよいものづくりに欠かせないワークを保持するチャックなどの周辺機器だ。工作機械のポテンシャルを最大限に引き出す〝加工力〟を発揮するための重要な要素としてその存在は大きい。

 2018年に100周年を迎えた北川鉄工所の中核を担うグローバルハンド カンパニー(取締役 グローバルハンドカンパニー社長:北川和紀氏)は、高精度化・自動化に向けたシステムをタイムリーに市場投入している。同社が追求しているのは、「妥協のない品質」であり、積極的に生産・検査の自動化や省人化を推進し、事業の拡充を図っている。北川社長にお話しを伺った。


アクセサリーメーカーの腕の見せどころ

221216topa ―コロナ禍真っ只中の2021年に社長に就任されました。この時期はお客様とリアル対面が困難な状況でしたがどのような取り組みに注力しましたか。
 北川
 コロナウイルス感染拡大防止の観点から、特約店会や賀詞交歓会なども中止となり、公の場においてご挨拶ができなかったのが残念でしたが、インターネットとビジネスの関係性が強くなったことを受け、弊社もWebショールームを作り、アクセスすると製品説明や技術情報が見られるようサイトの構築に注力しました。
 ―貴社のサイトはここまで見せて良いの? というくらい内容が豊富でお客様からも高い評価を得ています。
 北川
 製品スペックなど営業担当者を通さなくても情報を開示するようにしました。見せすぎかな、と若干思ったのですが、お客様が喜んで使って頂けだけたので良かった。昔と違い現在は、開示できるものはどんどん開示していくという考え方に変化したように思えます。Kitagawa製品を活用してくださるユーザーを軸に考え、お客様がアクセスしやすいよう、購入しやすいよう、ユーザーの声に真摯に耳を傾け、ご要望を吸い取りながらコンテンツを充実していきました。
 ―現在、製造現場も多品種少量生産が増え、ワークも複雑化してきました。自動化を実現するにあたり、高能率な製造ラインを構築するための鍵を握るのは、ものを掴むチャックにあると思います。お客様のご要望も高度化しているように思えます。
 

221216top6ブース
活況に溢れていた「JIMTOF2022」のブース

 北川 お客様の多様なニーズに応えるには魅力ある商品バリエーションを確立しなければなりません。現在、機械1台に対して様々なワークが掴めることができるデザイン・チャックを作って欲しいというニーズが増えてきていますが、このニーズこそ、われわれアクセサリーメーカーの腕の見せどころです。ものづくりのトレンドの変化をいち早くキャッチし、初工程から最終工程まであらゆる要求に対応できる幅広いラインナップで生産や検査の自動化や省人化を推進し、お客様の製造現場が高能率で高品質なものづくりを実現するためのノウハウを提供することがわれわれの役目だと自負しています。

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