DMG森精機 工程集約・自動化・DX化に貢献! 小型複雑形状ワークの高速・高精度を実現する「NTX500」を発表

 


マシンのパフォーマンスを最大にする加工現場のデジタルツインを実現! 「CELOS DYNAMICpost」を開発

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説明する坂本部長

 マシンのパフォーマンスを最大にするにはソフトウェアも重要な鍵を握るが、今回の会見で、6月にリリースしたばかりの、ポストプロセッサ、切削加工シミュレーション、切削能力最適化を1本で使用できるソフトウェア『CELOS DYNAMICpost(セロスダイナミックポスト)』にも注目したい。

 加工現場におけるデジタルツインを実現し、CAMと同社の機械をつなぐ『CELOS DYNAMICpost』について、ビー・ユー・ジーDMG森精機 新機能ソフト開発部の坂本部長が説明をした。

 加工ワークの複雑化が進み、複雑形状部品をワンチャッキングで加工できる5軸・複合加工機の需要が増加しているが、CAMで生成したツールパスはポストプロセッサにより、使用する工作機械の制御装置に適合したNCプログラムに変換する必要があるため、工作機械やNC装置の詳細な仕様が十分に反映されていないポストプロセッサを実行すると、NCプログラムの多大な修正作業が発生する。坂本部長は開発の経緯を「当社の工作機械に適合するポストプロセッサの準備や高精度な切削加工シミュレーションを効率良く行いたいという要望が多く寄せられ、従来個別に必要だった①ポストプロセッサ、②切削加工シミュレーション、③切削力最適化機能の3つの機能を1つに統合した。」と述べた。

 今回、新規開発したことは、CAMで作成したツールパスをポストプロセッサでNCプログラムに変換後、切削加工シミュレーション機能により加工形状の評価、干渉チェック、加工時間の予測を行い、切削力最適化機能で切削負荷を評価して、加工条件を最適化したNCプログラムを自動で生成すること。切削加工シミュレーションには同社のデジタルツイン技術を用いることで、機械構造や軸の加減速、工具交換時間に至るまで、同社の工作機械が持つ機能を忠実に再現している。

 「工具破損の抑止につながり、荒加工切削時間も20%削減できた。」と坂本部長。『CELOS DYNAMICpost』は、同社製工作機械固有の機能を標準サポートしており、機械の性能を最大限に発揮させる信頼性の高いNCプログラムを精製できるため、NCプログラムの修正作業を低減し、プログラム作成から加工開始までの時間を大幅に短縮する。また、試加工をデジタルでシミュレーションできるので、実機での試加工をゼロにできるため、消費エネルギーの削減にもなり、SDGsに貢献する製品となっている。

安定した連続稼働を妨げる「切りくず」「クーラント」「ミスト」
 

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説明する山本部長

 安定した連続稼働、工場環境を妨げる〝加工3悪〟について、切削・クーラント・ミスト部の山本部長が、「自動化において重要なことは切りくず、クーラント、ミストを適切に処理すること。」と力を込めた。また、「機械加工時の電江力消費のうち冷却や油圧、クーラントなどの周辺装置が約70%を占める」と述べ、周辺機器関連の省エネ化を推進した。

 クーラント周りのトラブルやメンテナンス工数を削減し、生産向上と作業者の怪我を防止するため、ミストコレクタの必要性を述べた。同社では工作機械と一体化したデザイン性の高いビルトインミストコレクタ『zeroFOG』を推進しているが、この製品は、簡単なメンテナンスでクリーンな排気を長い間維持する特長を持つ。空気清浄機と同等の洗浄度でありながら、1次フィルタの清掃作業が不要なのも嬉しい。また、稼働時間が長いミストコレクタの消費電力を低減し、CO2排出量は1.3t/年削減、電気代も年6.2万円削減できるという。

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