DMG森精機 伊賀事業所で見た最新技術の数々!

 

DMG森精機修復旧技能研修センタもお披露目

211105復旧センタ外観
修理復旧技能研修センタ外観

 ここは同社の経営理念を実行するため、技術力の高い社員の育成の場でもある。一般教育では、新入社員教育や、階層別研修、労災事故をなくすために安全衛生教育も行う。また、近年は自動化に伴いロボットを取り扱う機会も多くなったことから、ロボット安全特別教育も行っている。今後修理担当者を育成するために、加工計測技術や、修理復旧技術の研修も実施している。研修対象者は、全世界の修理復旧担当者だ。

211105センタ内 最近では複合化や動化システムといった機械が24時間体制で顧客が活用している。修理復旧には複合加工機においては時間がかかるため、対応する社員も高い技術力と高い経験値が必要になる。この修理技能研究センタではこうした背景から、教材となる設備機は43台(現設備を含め92台、LPP、MATRIS、ロボット有)。デジタル化により生産性向上を実現するTULIP、Messenger(情報管理、学習と進捗、成果の可視化)がある。

 

これぞデジタル製造現場! 自動走行ロボットも!

211105工場内

 

 

211105pcr検査
伊賀事業所はPCR検査装置4台を導入しており、当日中に結果を入手できる。企業内診療所を持たない民間企業での導入は国内初。

DMG森精機といえば、製造トレンドに敏感であり、最先端技術の採用を積極的に行うイメージがあるが、さすがはものをつくるモトである工作機械メーカーだけあって、工場内の管理・運用が非常にスマート。作業者によるポカミスや品質のバラツキなど、製造現場の課題解決をデジタル化により支援する〝製造支援アプリケーション作成プラットフォーム〟「TULIP」を活用し、計測機器や既存システムなどと連携させることで複雑な作業も協力にサポートし、人的ミスを極限に抑止している。また、蓄積した作業データを活用して工程改善も実現している点も見逃せない。なお、同社では、米国Tulip社が開発したこの「TULIP」を日本国内で販売するための新会社(株)T Projectを2020年9月に設立している。

 工場内では、加工ワークの搬送や着脱など工場内の物流搬送を自動化し、工場全体のデジタル化を実現するために自社開発された自動走行ロボットシステム「AH-AGV 5」がワークのピックアップをしているのを拝見した。このシステムは、すでに本年10月1日より販売が開始されているが、自動化ニーズの高まりとともに、人が操作する従来のハンドリフタやフォークリフトに変わる自動搬送手段として現在、活用が進んでいる。

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自動走行ロボットシステム「AH-AGV 5」の働きぶりにテクノロジーの進化を見た!

 走行ルート用の磁気テープやマーカーがなくても工場内を自由に走行し、最大高さ35mmのケーブルダクトなど工場内の段差に対する走破性も盛っている。注目したい点はロボットアームの先端に搭載したビジョンセンサによる位置や姿勢の補正技術で±1mm以下の位置決め精度を実現しており、工作機械へのワークダイレクト着脱が可能なこと。人や障害物を検知して回避するため、安全フェンスは不要で、工場内で人との協働を実現する最新システムだった。

 伊賀事業所では、現在、最新工作機械のみならず、製造現場のDX化により生産性向上に加え、顧客に提供する価値を向上させち取り組みを拝見することができる。

 

 
 

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