「100周年を迎える頃にはますます輝いている会社に」オーエスジー 大沢社長に聞く

オーエスジー 大沢社長

 本年2月20日付けで社長兼最高執行責任者(COO)に就任した大沢伸朗(おおさわのぶあき)氏。創業者である大沢秀雄氏の孫で5代目の社長になる。1991年にオーエスジー販売(現オーエスジー)に入社してから製造部等に勤務し、その後、OSG UK 、OSG Europe S.A.の社長を務め、欧州で活躍した。また、日本のものづくりを支える科学技術の振興に寄与することを目的とした大沢科学技術振興財団理事長も現任している。オーエスジーに入社してから30年という節目に社長に就任した大沢氏にお話を伺った。

入社してから30年を振り返って ~印象的な出来事~ 

OSG本社
愛知県豊川市にあるオーエスジー本社

 入社後1994年にまだ出来て5年ぐらいの八名工場に勤務しましたが、この工場は当時、オーエスジーが誇る最新工場でした。現在は新城工場に大きな投資を行い、さらなる最新の工場が竣工しましたので、このタイミングで社長に就任したことは感慨深いものがあります。

 八名工場の勤務を経て、97年にUKに出向いたしました。この頃、現会長の石川は当時の社長(大沢輝秀氏)からヨーロッパの市場開拓を任されており、私はその補佐役としてイギリスで在住したのち、ヨーロッパ全体の統括を担わせていただきました。私の仕事人生では海外生活が半分以上を占めております。

オーエスジー NEO新城工場
NEO新城工場

 もともと、ヨーロッパにおいて1970年前半から代理店をセットアップする形で既に販売はしていたのですが、本格的に自社のネットワークを作り始めたのは90年代に積極的な海外展開を推進してからになります。私自身はこの大きい流れの中で貢献できたことが会社人生の中では一番印象的な出来事でもありました。自身の考えで自由に実行させていただき、非常に充実した楽しい時間でした。

 一方でリーマンショックを経験し、厳しい時代も過ごしましたが、非常に変化に富んだ経験をさせていただきました。私自身も欧州では企業買収を含め、新規で会社を立ち上げるなど日本とは違った考え方や文化の中で、いかにベクトル合わせてまとめあげていくかと迷い、腐心しましたが、この時、人材管理についても有意義な経験をさせていただきました。

オーエスジーの企業文化

オーエスジー NEO新城工場 上空写真
上空からみたNEO新城工場

 先代の大沢会長(輝秀氏)が掲げた〝地球会社政策〟は、積極的にネットワークを広げましたが、この計画に対してまだ若かった私は、自ら判断をし、関わっていくことに対して物理的に無理だと感じていました。それでも当時、若輩だった私にチャレンジさせてくれた大沢会長には懐の大きさを感じています。このチャレンジ精神は、DNA として脈々と受け継がれています。チャレンジもせずに、事がうまく行かないというほうが、よっぽど問題です。弊社にはチャレンジ精神豊富な人材を評価する企業文化があります。

■抱負について

 切削工具業界では、自動車のEV 化などを含め、先行きが読みにくい環境下にあると思います。しかし悲観ばかりしても先には進めません。弊社は今年創立83年ですが、100周年を迎える頃にはオーエスジーが今以上に輝いている会社でありたい。現在、見通しが立ちにくい時代ですが、 OSG の輝く姿を目指すために、ひとつひとつ着実に取り組んで参りたいと思っています。

■新体制で目指すこと 

 現在、自分たちの日常は、常識と思っていたことが常識ではなく、当たり前と思っていたことが当たり前ではなくなりました。これからの時代、成功体験が逆に足枷になりかねない。ここはわれわれも肝に銘じる必要があると感じています。そのため、まずは、「できることから実行していこう」ということで、自分たちが当たり前と思っていることに対してまずは、「違和感を抱くことから始めましょう」と話しています。従来とは違った斬新なやり方で新しい方向性を示すことにも繋がっていくのではないかと期待を込めておりますが、そうはいっても、どんなに優秀なスタッフでも人間というのは多忙な業務に追われると、無意識に慣れていることを良しとする習性がありますから、ここに違和感を持って欲しいと願っています。

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