キタムラ機械 北村社長に聞く ~最先端技術で夢のような近未来を求めて~

 

自動化の壁

210218キタムラ機械4 ―製造現場の自動化が加速していますが、自動化にはロボットも活躍しています。製造現場が利益を上げるためには工作機械側もいろいろと考えることがあると思います。
 北村
 作業員と一緒に働くことができる協働ロボットは出力が80W未満とされ資格が不要ですが、通常の産業ロボットは出力が80W超えており、資格が必要です。こうした規制も時にはビジネスの壁になることがあります。例えば日本で製造した餃子配達ロボットが中国では活躍できるのに、日本で利用することができないのは、こうした規制があるからなのです。これはロボットの話ですが、工作機械にも通じる話です。日本では工作機械ユーザーのほとんどが中・小規模企業です。工作機械は80Wを超えますから、ロボット付きの機械を稼働するために24時間、有資格者を置く余裕など、多くの中・小規模企業にはありません。日本のお役に立つようにと自動運転機能を開発しても、海外へ流れてしまう理由のひとつだと感じています。
 ―開発をする側としては切ない話です。
 北村
 アメリカだとUL規格、ヨーロッパだったらCEマーキングとあるように、安全制御については他国の方が厳しく、かえって日本のほうが甘いぐらいなのですが、免許制度が厳しいという現象が起きています。冷蔵庫ですら80Wを超えますよ(笑)
 ―資格を強化するよりも、安全制御技術を強化したほうが日本企業のビジネスチャンスに繋がると思いますから、この点は議論しなければならないと感じます。
 北村
 自動車の免許も昔と違い、オートマシフトだけで免許が取れる時代になったのですから、機械系も今の時代に合致した環境整備が必要であると考えています。

中小企業の強い見方であり続ける! ~現在アップグレードキャンペーン中!~

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最新!「Arumatik-Mi」の操作盤

 ―貴社は現在、旧型を使用されているユーザーに向け、アップグレードキャンペーンを開催しております。
 北村
 これは旧型をご使用のお客様に対して「Arumatik-Mi」の最新型へのバージョンアップを有償で実施するものです。機械メーカーとしては機械を一生使えるようハード面を仕上げても、コンピュータが陳腐化してしまえば能力が衰えてしまいます。今のご時世、新しい設備を導入したくてもできない方が大勢いらっしゃいますから、せめてコンピュータだけでも最先端にしましょう、という載せ替えを実施しています。
 ―能力強化キャンペーンなのですね。
 北村
 制御スピードがものすごく速くなります。既存の設備が最先端モデルになりますから、弊社の標準装備しているIoT機能「Anywhere-Remote」や「Auto-Part-Producer」、「Arumatik- Surface-Scan」も対応できます。
 ―貴社は独自開発で、ありそうでないものを真っ先に開発していくイメージがありますが、次に考えているアイデアはありますか?
 北村
 秘密ですがいろいろと考えています(笑)とにかく弊社のスローガンにもありますが、〝Machining Challenges-Simplified〟で、工作機械もWindowsのように簡単操作ができれば良いと考えています。
 ―貴社を代表する「Mycsenterシリーズ」では、40年以上ひとつのシリーズを継続しており、決して売りっぱなしにしない心強さがあります。今回のアップグレードキャンペーンにも、中・小規模企業へ対する思いやりを感じました。
 北村
 いくら時代が変わっても、われわれは弊社の機械を購入されたお客様の財産になるよう拡張性が高く、末永く皆様に愛される機械づくりを目指しています。これから先、夢のような近未来のために最先端技術をもって貢献していきたい。世界中のものづくりに係わる8割は中小企業です。働き方改革が推進されていますが、人手不足の中小企業は、多忙になると厳しい納期に対応するのも難しい。こうしたことから、機械メーカーの視点で皆様のお役に立てるよう今後も画期的な独自マシンを提供して参ります。
 ―ありがとうございました。
 

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