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【前編】プライドをかけた熱い想い こんなドリルをつくりたい! ~超硬ソリッドドリルの歴史と小径穴加工の難しさ 三菱マテリアル~

 三菱マテリアル・加工事業カンパニーが精力的に画期的な新製品を開発し、いよいよ市場投入直前段階まで来ていると聞きつけた。そういえば、前回取材した『MS9025』も振動切削に対応するという次世代の安定した加工を求める現場のためにつくられた工具であり、最先端技術と独自性が際立っていた。このとき、「今後も世界で存在しない画期的な工具をつくる予定です!」と力強い意気込みを示していたことをふと思い出した筆者。「ひょっとしたら世界初になるかもしれない工具が登場するかも!?」と期待に胸を躍らせながら、愛用カメラをひっさげ、開発が行われている同社岐阜製作所へ向かった。

 今回、新たに開発されたのは新小径ドリル『DVAS』。前編・後編に分けて掲載する。

↓後編はコチラ↓
https://seizougenba.com/node/12526

「デジタルソリューションで高効率を目指す」サンドビック株式会社 山本社長に聞く

 サンドビック・コロマント(www.sandvik.coromant.com)は、様々な工具や加工ノウハウを提供する世界的な大手メーカーだ。現在、働き方改革も推奨され、自動化・省人化で高効率へのニーズが高まっているが、IoTを意識した商品を提供するなど、独創的なイノベーションで加工現場の課題に応えている。

 本年4月1日付けで、サンドビック株式会社の代表取締役社長に就任した山本雅広氏。日本市場でさらなるビジネスの成長を牽引し、顧客と強いつながりを意識しながら、生産性向上とより効率的な製造活動を目指してユーザーが直面する課題に真摯に向き合っている。現在、コロナ禍において働き方改革が加速しているが、すでに10年以上前から、場所や時間を有効に活用できる体制を取っていたという同社の強みと未来像について山本社長にお話を伺った。
 

【レポート】予想以上の反響だった「3社合同WEBセミナー」 ~牧野フライス精機、アライドマテリアル、アクシスマテリア~

 コロナ禍により、最近はオンラインセミナーが活況を呈している。その中でも、9月10日(木)に開催した牧野フライス精機、アライドマテリアル、アクシスマテリアの「3社合同WEBセミナー」は聴講者の募集をかけたところ、告知早々満員となり、予想以上の反響もあって多数の方が受講できない事態になってしまったほどだ。そこで今回、工具研削技術向上のチャンスを逃してしまった方のために、9月17日(木)にも急遽、追加開催(内容は9月10日の実施と同一)した。大人気セミナーをレポートする。

「変化の厳しい時代に即応する体制強化へ」 三井精機工業 加藤社長に聞く

 約92年前、ブロックゲージの国産化、高圧圧縮機の製造をスタートし、国産初のジグボーラを開発した三井精機工業(社長=加藤欣一氏)。戦後はオート三輪をはじめとした小型トラックの製造も手掛け、ここで培われた技術を用いて自動車部品用に加工精度と量産性に優れた専用機やトランスファーマシンなどを次々に開発し、市場に提供してきた。同社の高精度加工に対する積極的な姿勢と、新技術へのチャレンジ精神は、脈々と受け継がれ、現在に至る。同社では、工作機械部門とコンプレッサ部門の2つの柱を持っており、産業の発展と地球環境保全、その両立を目指すことは、これからの企業の課題であると捉えている。その象徴が、本社のある川島工場(埼玉県比企郡)であり、各種製品はこの豊かな自然環境の中でつくられている。

「製造現場の自動化・省人化に貢献」 ~ブルーム-ノボテスト 山田社長に聞く~

 近年、製造現場において、急速に自動化・省人化が加速している。効率良く安定して高品質なモノを生み出すためには高度な技術が必要不可欠だ。そのため、工作機械もさらにパワーアップしているが、この工作機械用コンポーネント分野において画期的な製品を提供しているのがグローバル企業のブルーム-ノボテストである。熱変位などの物質的なパラメータと加工対象物の変数を識別し補正をする技術を用いて世界中の工作機械産業、自動車産業、航空機産業などに貢献している。

 同社日本法人の山田 亨社長は、世界中を飛び回りながら、グローバルな視点で製造現場の時流を見つめており、国際性豊かな視点を持っている。山田社長に自動化・省人化をテーマにお話を伺い、また、同社の最新技術についても取材した。
 

MOLDINOファン必見! 「MOLDINO WEB EXPO」の魅力に迫る! 

 本年4月、三菱日立ツールがMOLDINO(社長=菊池 仁氏)に社名を変更し、4カ月以上が経過したが、その名は早くも製造業界に浸透している。MOLDINOとは、MOLD&DIE(金型)+Innovation(革新)の意味を持つ。社名からも金型業界に貢献するという姿勢が強く表れており、評判も上々だ。

 今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響を懸念して、ビジネスチャンスである大型展示会が続々と中止され、出展メーカーにとっては痛い年となってしまったが、新たにWEB展示会が予定されるなど、インターネットを活用した新たな〝見せ場〟が登場している。最近は、機械・工具・周辺機器メーカーも、どんどん自社サイトでWEB展示会を開催しており、今までにはない工夫を見ることができる。新たに生まれ変わったMOLDINOでは、現在、「MOLDINO WEB EXPO」を展開しており、培われた技術の蓄積を武器に〝とんがった〟イメージをさらに際立たせながら、最新技術の詰まった商品群を示している。
 

ナガセインテグレックス 新技術が詰まったコンテンツを充実! ~全てはお客様のために~ 

 新型コロナウイルスの影響から、主力展示会が国内外を問わず中止となり、開発新製品のお披露目をする機会がめっきり減ってしまったが、ナガセインテグレックス(社長=長瀬幸泰氏、本社:岐阜県関市武芸川町跡部)は、超精密加工を極める加工現場の〝お役立ち情報〟の発信を目的として、動画コンテンツを充実させている。現在、様々な産業が停滞している中においても、期待が高い分野に5Gを背景とする半導体産業が挙げられるが、ここで必要とされるのは、ナノメータの面粗さ、サブミクロンの形状精度を実現させる超精密加工を実現させるマシンである。

 今回、長瀬社長に、動画コンテンツを充実させたいきさつや、今後の展開についてオンラインにてお尋ねし、同社の最新技術についても掲載する。

【最新加工技術】三菱マテリアル 自動盤加工向け工具『MS9025』が満を持して登場! その舞台裏を拝見! 

 加工現場の市場ニーズに応えるべく、日々奮闘している三菱マテリアル・加工事業カンパニー。近年、難削材の増加と高い加工精度が要求されるケースが増えていることを受け、同社では、小物高精度加工向けインサート材種『MS9025』の開発を行っていたが、この製品開発が最終段階に入り、自動盤加工に適したインサートの市場投入を行っていく姿勢を打ち出した。一般的に自動盤といえば、困るのは、〝切りくず処理〟だが、この問題をクリアする新しい技術に〝振動切削〟による切りくず処理の向上が挙げられる。同社は兼ねてより、従来の加工方法は基より振動切削を使用した条件下でも最適なインサート材種を模索していた。なぜならこの分野は、どの工具メーカーも未開発だったからである。

 営業企画部が捉えた市場の背景と、それに応える開発本部の精鋭たち。振動切削に対応し、安定した性能を発揮する最新工具が満を持して今、市場投入される―――。
 

【オンライン】かながた小町座談会 ~女性が活躍しやすい職場環境を~

 日本金型工業会(会長=小出 悟・小出製作所社長)が昨年発足した「かながた小町」プロジェクト。これは近年における働き方の多様化により、女性就業者が増加していることを受け、金型業界の職場環境改善や長時間労働の是正を期待し、立ち上がったものだ。

 同工業会の川田明美事務局長は、「一般的に金型業界は男性の職場と思われていますが、多くの女性が活躍しています。技術者や技能者、営業、会社の運営を支える事務職など比較的女性が活躍しやすい業界でもあるのです。」と話す。

 今回は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、それぞれの仕事が終わった夜の7時からオンラインシステムを使用し、金型業界で活躍する「かながた小町」たちに活動や近況をゆる~く語って頂いた。

〈出席者:アサヒダイテック 総務課 課長 小川朋加さん、七宝金型工業 営業部 松岡咲希さん、名古屋精密金型 営業部長 渡辺祐子さん、ムツミ工業 取締役総合統括本部長 近藤紗也子さん、日本金型工業会 事務局長 川田明美さん〉
 

大平工具製作所 水谷社長に聞く「未来のために削り続けていく」 

 大平工具製作所(社長=水谷秀樹氏、本社:三重県松阪市大平尾町)は、今年で創業68年を迎え、長い歴史の中で、工具製作から培われた加工技術・技能で様々な苦難を乗り越えて、常に新しい分野へと挑戦してきた従業員数12名の会社だ。数物部品加工と金型製作技術に高い評価を得ており、信頼も厚い。現在、新型コロナウイルスの悪影響が暗い影を落としているが、3代目にあたる水谷社長は、「私が経営者となって初めての苦難であり、弊社の本質が試される時ですが、導入した新設備が打破してくれるはずです。」と、勢いがいい。
 
 水谷社長に時短に成功した加工事例を含め、会社の歴史や、導入した新設備への思い入れ、現在の様子についてお話を伺った。