日立建機が「ConSite」に独自のAIを駆使 2つのアプリケーションを追加して部品・サービス事業を強化

説明する太田執行役常務
説明する太田執行役常務
 日立建機(社長=平野耕太郎氏)は、3月15日、サービスソリューション「ConSite(コンサイト)」について、ICT並びにIoTおよびAI技術を活用し、2020年頃までにセンシングによる遠隔での故障予兆検知率を約90%に高め、顧客の課題であるライフサイクルコストの低減に貢献する新たな取り組みを開始するとして記者発表を開いた。

 今回の取り組みについて、「ConSiteを深化させるもの」として、太田賢治 執行役常務営業統括本部副部長が説明をした。

 建設機械といえば、10年以上、時には30年以上と長期間可動詞、鉱山機械となるとひとすくい70t、地盤をはがすため、大きな負荷がかかる。また、粉塵や雨風にさらされるうえ、振動や温度(-50~+50℃)もおかまいなく、様々な環境で稼動しなくてはならないうえ、現場が変わる度に稼動場所を移動するといった過酷な使われ方をするものである。

 機械が故障することは現場が止まることを意味する。太田氏は、マシントラブルは損失に繋がる要因であり、サービスの良し悪しが新車購入の重要な選定要因となる。」と説明する。

 この取り組みは、センシングによる遠隔での故障予知検知の精度を高めるAIの活用およびConSiteから配信される情報をスマートフォンやタブレット端末等で簡単に確認できる「ConSite Pocket」、代理店のメカニックがスマートフォンを活用し、機械の点検レポートを短時間で作成することを可能とし、現場でそのままお客様への修理提案を実現する「ConSite Shot」を指している。

 ConSiteのAI活用は、これまで蓄積してきた稼動情報や修理履歴などの情報と専門的な経験やノウハウなどの技術的知見に基づいた仮説から解を導く考え方のもと、AIから与えられる故障予知情報に従い、代理店スタッフが故障の状態を確認できるようにするものだが、その結果をAIにフィードバックすることで、自動学習を繰り返し行い、故障予知検知の精度を高めることができる。注目すべきことは、①蓄積された技術的知見の活用で、機械の壊れ方への技術的な知見、②センサや検知技術、通信技術を用いた機械のインテリジェンス化、③AI技術――これら各技術を統合し最適化することで、予兆検知率は90%を達成したことだ。

 「ConSite Pocket」は、これまでE-mailで発信してきたConSiteの情報を、スマートフォン等での確認を可能にしたアプリケーション。顧客と代理店スタッフは、スマートフォン等でConSiteデータレポートをいつでもどこでも確認できるとともに、プッシュ通知機能により機会のアラームに瞬時に気付くことができ、利便性をさらに向上させている。

 「ConSite Shot」は、今まで機械の点検後、事務所に持ち帰り有識者に時間をかけて作成していた点検レポートが、点検箇所のスマートフォンのカメラでの撮影と、点検結果のコメントを入力するだけで自動的に生成できるアプリケーション。これを活用することで、顧客は点検レポートを通じて、機械の状態をより正確に把握することができるようになる。また、世界中の代理店メカニックが直接顧客への提案活動を開始することを可能としている。「ConSite Pocket」および「ConSite Shot」ともにConSiteの契約をしている顧客と代理店は、無償で使用でき、google PlayⓇおよびApp StoreⓇから専用のアプリケーションをダウンロードすることができる。なお、「ConSite Pocket」は2018年4月よりダウンロードを開始する。

 同社では19年度にバリューチェーン(部品再生、サービス部品、サービス、中古車、レンタル、ファイナンス)を強化させ、連結売上収益の半分を占める目標を掲げており、機械と修理技術の高度化や世界的な技術者不足といった社会変化に柔軟な対応をするため、組織強化とIoTの強化(ConSite)に注力する。

 ConSiteは世界中の顧客や代理店、地域統括会社を24時間365日、つなぐ情報インフラとして活躍するとしている。

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