岡本工作機械製作所が「2017年度PSG会東部支部連絡会」を開催

 

 岡本工作機械製作所(社長=石井常路氏)が去る2月9日、新横浜国際ホテル マナーハウス南館で「2017年度PSG会東部支部連絡会」を開催した。同社の現況報告のほか、①自動化、IoT、ロボット、ものづくり補助金など、②新商品、平面研削盤のラインナップ、③新技術、超精密、複合、高能率研削盤について――の3つのテーマに沿って説明があった。また、毎度人気を博している伊藤 暁取締役技術開発本部長の特別講演もあり、91名の出席のもと、大いに盛り上がりをみせた。

OKAMOTOが絶好調の理由とは

現況報告をする秋山執行役員兼国内営業部部長
現況報告をする秋山執行役員兼国内営業部部長
 はじめに秋山美治執行役員兼国内営業部部長から開会のあいさつと現況報告があった。
 それによると、同社(連結)の2017年1月-12月における受注実績は168億1,800円(対前年比138.4%)、うち内需は95億1,200万円(同160.6%)、外需は73億500万円(同117.7%)となった。また、2017年の国内地域別の受注額増減率について、東部(首都圏・北関東・仙台営業所)は42%(増減率149.4%)、中部(名古屋・静岡・富山営業所)は25%(同144.1%)、西部(大阪・広島・福岡営業所)は33%(同128.6%)となった。

 秋山国内営業部長は、「東部エリアは比較的汎用機に受注傾向が見られ、中部は付加価値の高い機械を中心に売れている。また、半導体装置関係ではセラミックの加工機が大きな伸びを示しており、今期は、半導体製造装置関係200%、一般機械150%、金属製品130%、金型130%の順位で売れている」と説明した。

 機種別については、ロータリー研削盤194%、円筒研削盤147%、成形134%、平面大型を含む機械128%で、2016年に対して台数は132%、受注金額は140%の伸びを示した。これについて秋山営業部長は、「著しい伸びを示したロータリー研削盤は半導体装置関係のセラミックの加工に特化して受注を伸ばした。円筒研削盤は健闘しており、自動化、省力化の対応をしていることもあり金額ベースで大きな伸びとなった。」と好調ぶりをアピールした。

 それぞれの担当営業マンが、「研削の自動化実現の時代」、「全自動平面研削システムMUJIN+ロボット+IoT」、「平成29年度補正予算 ものづくり補助金」、「中小企業等経営強化税制」、「新中型平面研削盤ラインナップ」、「研削盤イチオシの業界」について説明をした。

 伊藤技術開発本部長による「2040年問題」をテーマにした特別講演は、エンジン車の終息と電気自動車市場の規模予測等、ものづくりの未来像を示す内容に聴講者も興味津々メモをとる姿も多く見られた。

『Mission GX2019』で320億円を目指す

力強いあいさつをする石井社長
力強いあいさつをする石井社長
 石井常路社長が閉会のあいさつをした。この中で石井社長は、「ここ数年は機上測定機能を備えた高精度、高能率の実現を提案してきたが、昨今はロボット化対応の自動化や省人化を目的としたものも加わった。現在、働き方改革についてエンドユーザーも現場の省人化や自動化を考えている。」と製造現場のトレンドを述べた。また、中期経営計画について触れ、「2016年6月に、2016年4月から2019年3月までの3カ年の中期経営計画を『Mission GX2019』として発表した。このコミットメントは、最終年度の2019年3月期に売上高320億円、営業利益率8%、海外販売比率を60%にすること。今期上半期は工作機械の好調、半導体装置の好調もあり、売上高で上半期137億4,200万円、営業利益は7億9,700万円、経常利益が約7億円を達成することができた。工作機械は、通期目標に対して上期が40~45%、下期で55~60%を達成するのが通常のパターンだが、幸いに上半期は50%を達成し、受注の状況も非常に良く、今期9月末の受注残が通常決算期の倍以上をもって下期に入っている。また来期の320億円についても本日ご参列の東部支部の皆様のご協力のもとぜひ、達成していきたい。」と力強く意気込みを述べた。

 また同社では、海外販売拠点、生産拠点の拡充をしているが、それについても、「ヨーロッパではドイツに2カ所、イギリスに1カ所の3拠点、アメリカではサンフランシスコ、ロサンゼルス、シカゴ、ケンタッキー、コネチカットの5拠点体制になった。中国においては大連、常州、上海、深センの4拠点体制、それにタイ、シンガポールを加えて世界6カ国に14拠点の販売拠点を設けている。」とした。生産拠点については、安中工場を中心にタイ、シンガポール、昨年から中国の常州で汎用研削盤の組立を開始した。」とし、常州工場では汎用研削盤を20台/月を生産するとした。タイからの部品を中国に輸出し、ノックダウン生産方式の投資を始めたという。石井社長は、「タイと中国、シンガポールと中国はFTAで結ばれている。ここにおられる皆様も中国に拠点を考えている方も多いと見受けられるので、ぜひご活用いただければと思っている。また、広島にある岡本工機はロボット用の歯車の生産を行っている。ロボット産業の拡大に伴い、新規に広島の府中工場を取得して稼働を開始し、歯車の拡大需要に応えていきたい。」とした。

懇親会で親睦を深める

業界のトレンドを話す渡邊執行役員営業本部長
業界のトレンドを話す渡邊執行役員営業本部長
 場所を移して懇親会が開かれた。冒頭に渡邊哲行 執行役員営業本部長が日頃のお礼を述べたあと、「今日は自動化や旬な業界、そして変わりゆく自動車産業の中で研削盤がどう係わっていくのかを説明させていただいた。毎年2月にPSG会を開催しているが、皆様のご要望に沿ってお応えするテーマを考えている。2018年もスタートして早1ヶ月半が経過した。代理店の皆様と話をすると、受注は概ね好調だが、その一方で、工作機械メーカーの納期が長くなっている、3月の売上に間に合わない、受注は良いが売上が落ちている、という話も聞く。工作機械メーカーの受注が伸びて受注が先行し、生産のリードタイムが長くなっている、また、調達の部品が入りづらいというケースもある。私どもは半導体装置も行っているが、工作機械と半導体装置で部品の取り合いが起こっている。」という悩ましい現状について触れた。また、好調な半導体装置業界について、「日本半導体製造装置協会によると2017年度の販売額は1兆9,700億円、対前年比26%増とかなりの伸びを示している。2018年度の予測については、さらに10%を予測、そして2019年はというとまたさらに微増と予測されている。加えて液晶製造装置は5,400億円の需要見込みであるから、今年も伸びていくのは間違いない。したがって今年も部材は入りづらいだろうというのが大方の見方である。」と述べ、「私ども摺動面は手作業のキサゲ摺り合わせであり、ねじも一部内製化をしている。鋳物も95%がタイで内製しており、内製率が高いので、皆様の売上に早めに貢献したいと考えている。」と自社の優位性についてアピールした。

 乾杯の発声を上大迫顕基 山善 機械事業部 執行役員副事業部長が行った。懇親会は抽選会が行われるなど和やかな雰囲気の中で、参会者は親睦を深めた。宴もたけなわの頃、散会した。

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