「市場ニーズに新たなソリューションを提供し続けたい」日本建設機械工業会が賀詞交歓会を開く

あいさつする平野会長
あいさつする平野会長
 日本建設機械工業会(会長=平野耕太郎 日立建機 社長)が1月10日、都内のシェラトン都ホテル東京で賀詞交歓会を開いた。

 あいさつに立った平野会長は、「この会場に入ってきて最初に皆様の顔つき、話されている言葉のトーンが昨年とずいぶん違うと感じた。昨年は米国トランプ政権の本格な始動、西欧主要国や日本での選挙、中国共産党大会の開催、北朝鮮問題など政治や地政学的な変化が多くあったが、世界経済の動向は比較的穏やかな状況だった。」と振り返り、昨年の建設機械の需要について、「一昨年と大きく様相を変え、ほとんどの地域で増加に転じた。当工業会がまとめている建設機械出荷金額統計を見ても、1月から11月の累計で、国内は対前年比7%増、輸出は29%増、合計で19%増という喜ばしい結果となった。」と話した。

 今年の建設機械世界需要の見通しについては、「引き続き好調を維持するものと予測しているが、業界を取り巻く状況はさらに変化していくものと考えている。社会やお客様の環境、安全、生産性の向上に対する要望はより具体的になっており、IoT・ICTやi-Constructionなどの情報技術や最新技術を活用した顧客ニーズに対応した製品、サービスの提案が必須となっている。当工業会は会員各社の製品、コンポーネント、部品、サービスを通じ、このような市場ニーズに新たなソリューションを提供し続けたいと考えている」とした。

 また、重要な活動分野として、①東日本大震災や一昨年発生した熊本地震、②昨年の九州北部豪雨災害の復興への貢献、環境・省エネルギーに対する対応、③会員各社のグローバル展開の支援、④i-Constructionなど新しい技術への対応など、これらの4点に注力することを述べ、「今年も引き続き取り組んでいく」と力強く述べた。

「コネクテッドインダストリーズの伝道者として他の業界に影響を与えていただきたい」世耕経済産業大臣

世耕経済産業大臣
世耕経済産業大臣
 来賓を代表して世耕弘成経済産業大臣が、「皆様の業界に経済産業大臣が出席するのは史上初とのこと。皆様の業界は積極的・果敢に設備投資を行い、海外展開を行っている。イノベーションを推進し、ITをフル活用していただいている。このような業界と経済産業省がしっかりと連携していくことがアベノミクスの成長戦略上、非常に重要であるとの思いから今回足を運ばせていただいた。」と今回の出席に至った経緯を述べ、「建設機械業界の国内海外とも数字が伸びているというのは素晴らしいことであり、しっかり国内に投資をしていることは本当にありがたいことだと思っている。」と感謝の意を表したあと、経済産業省の取り組みについて、「ソサエティ5.0を実現するため、産業界の取り組みとして、コネクテッドインダストリーズの考え方を打ち出している。日本の製造現場、サービスの現場、あるいは建設の現場には様々なデータが豊富にある。それをできる限り共有し、ビッグデータとして活用することにより、日本の製品やサービスの品質をさらに向上させて世界に打ち勝っていこう、という考え方である。」ことを示した。

 「しかし建設機械工業会の皆様はすでに実行に移していただいている。ICT建機を軸にし、設計者、施工現場、管理者がデータで繋がり、そして生産性、省エネ、安全性の向上などに取り組んでいただいている。ぜひ皆様にはコネクテッドインダストリーズの伝道者として他の業界に影響を与えていただきたい」と期待を込めた。

 「昨年末には日・EU EPAが最終合意に至った。またTPP11も閣僚レベルの合意は終わり、最終的な調印に向かって交渉をしているところである。こうした多国間の自由貿易協定を質の高い内容で結ぶことによって皆様方のビジネスチャンスを広げたいと思っている。安倍政権では質の高いインフラ輸出を積極的に進めている。アジア各国、アフリカ、ロシアなど質の高い道路や鉄道、港湾、工業団地など日本の展開力でつくっていきたい。当然、質の高いインフラをつくるためには建設機械が必要であり、皆様のビジネスチャンスにしっかりと繋げて参りたい。すでに安倍政権になってからは9兆円も受注高を増やしており、このように安倍政権と皆様方の業界と連携するテーマが豊富にある。一層情報交換をしながら、皆様方業界の発展に繋げていきたい。」と力強く結んだ。

 大橋徹二 副会長(コマツ社長)が乾杯の発声を行い、宴もたけなわのころ散会した。

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