ジェイテクトがモーター用低トルク長寿命深溝玉軸受を開発

 ジェイテクト(社長=安形哲夫氏)がこのほど、グリースを最適化することで従来よりも大幅な低トルク化と長寿命化を実現し、モーターの省エネルギー化やメンテナンスフリー化に貢献する深溝玉軸受を開発した。
 
 世界的に省エネの意識が高まり、自動車を始め、あらゆる産業機械においてエネルギー効率(燃費)向上が求められている中、家電用・産業用等あらゆる用途に使用されているモーターにおいても同様の高効率化はもちろん、メンテナンスフリー化による長寿命化も求められている。この潮流は、軸受においても例外ではなく、高効率化につながる低トルク化とメンテナンスフリー化につながる長寿命化は求められる性質が背反し、その両立は常に困難な課題だった。

 こうした時流を受け、同社は今回、モーター用の深溝玉軸受においてこのニーズに応えるため、軸受グリースの組成に注目し、課題解決を目指した結果、基油の低粘度化と耐熱性向上や増ちょう剤の流動性向上と耐熱性向上、基油保持性向上を含めたグリースの最適化をすることで、トルクを従来比50%低減、軸受寿命を従来比2倍と大幅に性能向上した軸受を開発することに成功。低トルク化と長寿命化の両立により、モーターの省エネルギー化やメンテナンスフリー化に貢献する。
 特長は以下のとおり。

(1)大幅な低トルク化を実現
 グリースの「基油低粘度化」と「増ちょう剤の最適化」により、攪拌抵抗を低減。トルクを従来品比で50%低減。

(2)大幅な長寿命化を実現
グリースの「基油の耐熱性向上」と「増ちょう剤の耐熱性と基油保持性向上」により、軸受寿命を従来品比で2倍に向上。

同社では売上げ目標を10億円/年としている。

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