アマダが高速パンチ・ファイバーレーザ複合マシン「EML-AJ」シリーズを新発売 ~進化したパンチング・レーザ機能により、高速・高品位加工と長時間連続運転を実現~

 アマダ(社長=磯部 任氏)は、このほど、パンチングとレーザ加工の高速化と高品位化をともに実現する高速パンチ・ファイバーレーザ複合マシン「EML-AJ」シリーズを開発し、販売を開始した。

 複合マシンは、同社が板金業界の中で先駆けて開発したもので、パンチングとレーザの両機能を統合し、板金加工における切断・穴あけ・成形・タップの加工工程を1台で行える。同社は、ファイバーレーザを搭載した複合マシンとして、省エネ、低コストで工程統合を実現するコンパクトな「LC-C1AJ」シリーズ、および変種変量生産、長時間連続運転を可能とし、パンチングの高品位加工が特徴的な「ACIES-AJ」シリーズを展開しており、顧客から高い評価を得ていることを受け、このほどパンチングとレーザの加工品質を向上させ、高生産性、長時間の自動化対応などをさらに追求して総合力を高めた「EML-AJ」シリーズを追加した。

 「EML-AJ」シリーズは、ベストセラーのパンチングマシンの単体機「EM」シリーズと同等のパンチングプレス能力(300kN)をはじめとして、これまで単体機で実績のあるパンチング機能を全て網羅した。また、パンチング金型を搭載するタレットには、上下異径(φ1010mm、φ1200mm)のZタレットのほか、大容量タレット(φ1200mm)の搭載が可能となった。さらにヒットレート(時間当たりのパンチ打数)を従来機比で25%向上させ、パンチング加工において、アマダの複合マシン随一の高速化を実現している。

 また、発振効率の高い3kWのファイバーレーザ発振器と新しい光学系を組み合わせて、光の品質をより向上させるとともに、アシストガスの整流化技術により、従来機と比較して高品位加工が可能となり、切断速度が3倍となる高速化を実現した。その一方で、消費電力は1/3へ低減する省エネ性を有している。

 なお、このマシンは、金型自動交換装置(PDC)、自動ノズルチェンジャー、レーザスクラップ自動搬出、カッティングプレートの自動清掃機能など、豊富な自動化オプションを組み合わせることで、最大12時間から24時間の連続運転ができ、運用に合わせた長時間連続運転を自動化するシステムを容易に構築することができる。

 同社では、多様化する加工ニーズや人手不足の課題に対し、生産性の向上と加工品質の向上、ならびに加工コストの低減を実現する多彩な機能と自動化ソリューションを提案していくとしている。

主な特長

■レーザ加工機能
 ・圧倒的な生産性と、高品位加工、低ランニングコストを実現
レーザによる切断工程においては、従来機と比較して、ドロス(溶融物の付着)の高さを約1/2に低減でき、切断面の面粗度は1.3倍に向上(*SPCC t3.2mmの場合)するとともに、3倍の高速切断(*SECC t2.3mmの場合)と消費電力を1/3に低減することができる。また、パンチングとレーザ切断の複合加工を行った場合では、生産性がおよそ2倍、ランニングコストを1/2に低減(*SECC t2.3mmの場合)することができる。

■パンチング加工機能
 ・小口径パンチでヒットレートの向上
小口径(φ31.7mm以下)のパンチング加工時において、サーボモータードライブの制御方式を最適化することで、ヒットレートを従来機より、25%向上することができる。これにより、高速パンチング加工が可能となり、生産性が大幅に向上した。
 ・進化した金型自動交換により生産性向上
金型自動交換装置(PDC)付モデルは、材料搬入中やレーザによる切断加工中に、次に使用する金型を自動交換ができるように進化した。これにより、高い実稼働率を実現し、一層の生産性の向上につながる。また、同社独自のID金型に対応しており、個々の金型管理が可能となることで、金型寿命の把握ができ、パンチング加工の品質の向上が実現するとともに、手動交換時に起こりうるセットミスを防止することができる。

マシン仕様

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