DMG森精機が東京デジタルイノベーションセンタを開設 ~最先端技術を有する組織が同じ屋根の下で研究開発によるシナジー効果も発揮~

 DMG森精機(社長=森 雅彦氏)は6月1日(金)、『東京デジタルイノベーションセンタ』を開設した。東京デジタルイノベーションセンタは、DMG森精機グループ会社のマグネスケール、サキコーポレーション、ビー・ユー・ジーDMG 森精機、デジタルマーケットを開拓する新会社『テクニウム』、そして先端技術研究センターの本拠地として機能する。

 DMG MORIが世界に誇る最先端技術を有する『東京デジタルイノベーションセンタ』を取材した。

テクニウムは未来志向型の組織

説明をする森社長
説明をする森社長
 開所式で森社長が建物の概要について、「1階にサキコーポレーションの組み込みソフトの実験場になっている。機械は別のところで作って、お客さま向けの特別のソフトをここで入れて、最終検査をして出す。2階はサキコーポレーションのエンジニアと本社が集まっている。3階には10年前にソニーからわがグループに移ってきたマグネスケールがある。現在、お陰様で絶好調であり、レーザースケール部門とマグネスケール部門、2つあり、非常にエキサイティングなビジネスである。4階には、野村総研と一緒に設立した新会社『テクニウム』がある。」と説明した。

テープカットの様子
テープカットの様子
 同社のマグネスケール部門は、「産業機械、工作機械に組み込まれる非常に重要な部門。」と森社長。特に、IoT時代で最も重要なセンサーである「リニアエンコーダーとロータリエンコーダを持っていることはラッキーであり、特に、サキコーポレーションとマグネスケールを持つことによって、半導体のおよそ10年後のハードウェア動向が手にとるように分かる。」と優位性を示した。

 デジタルマーケットを開拓する新会社『テクニウム』は、 DMG森精機と野村総合研究所が、デジタル技術を用いて、工場等における生産設備の高度な活用を支援するシステム・サービスを専門に提供する会社だ。

 顧客の利便性向上のために会員制Webサイトを用いて、顧客ごとに生産設備、人的リソース、加工ノウハウ等、様々な情報の一元管理を実現する。また、最先端のソフトウェアや機械を高度に活用するためのトレーニングを、顧客の設備や担当者一人一人の経験に応じて提供するとしている。

 さらに、DMG森精機の加工技術を集積したデータベースを用いて、最適な加工プログラムを作成。これらを通して、顧客の“機械の高度活用”をサポートする。

テクニウムのロゴ
テクニウムのロゴ
 工作機械は、NC(数値制御)と組込ソフトウェアが重要だが、近年、デジタル化の波は勢いを増している。同社では、「製造業におけるサービスの提供形態や顧客との関わり方における可能性が無限大に広がる変革期を迎え、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)など関連技術の重要性が一段と高まっている。」と認識し、こうした状況を背景に、「機械・加工・ソフトウェアに関して高度な技術をもつDMG森精機と、コンサルティングと信頼性の高いIT(情報技術)を掛け合わせることにより先進的なサービス・仕組みの企画開発・運用を行う野村総研は、両社のノウハウを融合させた新たなサービスを通じ、製造業のより高い生産性を実現することを目的として、テクニウムを設立した。」としている。

 森社長は新会社の名称について、「アメリカの未来学者が作った言葉で、テクノロジーと人間と未来が一緒になっているようなイメージ。調べてみたらレジスタされていなかった。これは良かったということで、テクニウムになった。」と話した。

先端技術研究センター内は自然をイメージしたつくり。リラックスできる空間だ。
先端技術研究センター内は自然をイメージしたつくり。リラックスできる空間だ。
 今回、森社長が「資金を投入した。」というのが、5階にある食堂だ。この階は、寺子屋形式でエンジニアが勉強をしてもらう場所でもある。快適な場に身を置くことはリラックス効果も期待できる。つまり、エンジニアには“柔らかい頭で柔軟な発想を”という森社長の願いがあるようだ。

 森社長は、「北海道にも200名の精鋭部隊がいるが、エンジニアの集まれる総本山にしていきたい。これからのAIは賢いエンジンは界隈の賢い人が開発を行っていくだろう。それらを工学系と組み合わせる、機械と組み合わせるといった“擦り合わせ”は、日本人の独壇場になるので、ここでも大きなビジネスチャンスがあると思っている。」と思いを述べた。

東京デジタルイノベーションセンタ組織

●マグネスケール
高い耐環境性、高精度、高分解能を有するマグネスケールやレーザをDMG森精機の工作機械に積極的に搭載していくことにより、製品のさらなる精度向上に貢献。

●サキコーポレーション
画像自動認識技術をコアテクノロジーとして、2次元画像、3次元画像、X線CT画像を使った電子部品実装工程向けデジタル検査装置の開発。

●先端技術研究センター
昨年7月に東京グローバルヘッドクォータに開所したセンターを移転。機械学習のプログラミング、IoT、ネットワーク、クラウド、英語などの知識習得により、次世代の新たな価値を創造する高度人材を育成。

●テクニウム
デジタル技術を用いて、工場等における生産設備の高度な活用を支援するシステム・サービスを専門に提供する新会社。

●ピー・ユー・ジーDMG森精機
 1980年に北海道大学発ITベンチャーとして札幌に設立。MAPPS Vなど操作性が高く競争力のある次世代オペレーションソフトウェアの開発を通じ、より使い易く生産性の高い工作機械の実現に貢献。

●DMG森精機センサ・ソフトウェア開発部門
伊賀にあるDMG森精機のセンサ・ソフトウェア開発部門を一部移転。

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